内容説明
18世紀、資本主義確立途上の時代に、神なき世界を生きる諸個人が創る、真の社会秩序を探究したヒューム。社会科学の定礎者ヒュームの思想形成を精緻に描き出す。ヒューム生誕300年。
目次
序章 ヒューム社会科学の形成と展望―いまなぜヒュームか
第1部 出発(ヒュームにおける社会科学の生誕;ヒュームの正義論の特質と意義―所有権論と経済論;ヒュームの人間労働観とインダストリ論)
第2部 発展(スコットランド啓蒙における「学問の国」と「社交の国」;いわゆる「初期覚え書き」とヒューム経済思想の形成;ヒューム経済思想の歴史的文脈)
第3部 展望(共和主義パラダイムにおける古代と近代;一八世紀文明社会と「中流身分」のアンビバレンス;日本におけるイギリス思想史研究の一特質―いわゆる「市民社会」論の伝統をめぐって)
著者等紹介
坂本達哉[サカモトタツヤ]
1955年東京生まれ。1979年慶應義塾大学経済学部卒業。1984年同大学院経済学研究科博士課程単位取得。1984年から1986年まで日本学術振興会海外特別研究員(グラスゴウ大学)。1989年慶應義塾大学経済学部助教授。1996年同教授。1996年義塾賞、サントリー学芸賞、2001年日本学士院賞受賞。2005年から2009年まで慶應義塾常任理事。博士(経済学)。専攻は社会思想史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ぽん教授(非実在系)
6
ヒュームの社会科学的思考という大テーマのもとで、正義論、労働観、スミスとの比較、当時のスコットランドの状況、ステュアート説との比較、ヒューム=貨幣数量説論者との評価への厳密な吟味、ヒュームの思う共和主義と自由主義といった小テーマが配置されている。最終章は丸山などの戦後市民派を素材にその上の河合栄次郎世代との比較を通じたヒュームなどの西洋社会思想史学史であり、日本思想史との接合部分となっている。どれも知りたいと思っていたことだが大変濃密な文章であるため消化しきれていない。再読対象である。2021/02/11
ステビア
2
濃厚。特に最後の市民社会論。2013/10/30
Go Extreme
1
https://claude.ai/public/artifacts/8387ab63-5781-4454-ab68-fb1c7a434ad2 2025/06/25
kazutox
1
ヒュームの入門書を読みたかったのですが、中公新書にも岩波新書にもないので、いきなり専門書を読むことに。内容は難解ではないのですが、人名と文献の数に圧倒されました。ヒュームの先人、同時代人、現代の研究者……著者はこれ全部読んだのかよ、と思うとめまいがします。私はとても学者にはなれそうにありません。2022/12/18
-
- 電子書籍
- ずっと受けたかったソフトウェア設計の授業
-
- 電子書籍
- とっておきの穴熊退治