内容説明
中世イングランドを生きた一人の女性の、美しき愛と犠牲の物語。
目次
第1章 マーシアのゴードイヴ
第2章 ゴディヴァ現る
第3章 ゴディヴァは進む
第4章 のぞき屋トム
第5章 ゴディヴァ馴染む
第6章 ゴディヴァ観られる
著者等紹介
ドナヒュー,ダニエル[ドナヒュー,ダニエル][Donoghue,Daniel]
1956年生。米国ハーヴァード大学、ジョン・フィリップス・マーカンド記念英語学教授。専門は中世英語文献学、古英詩『ベーオウルフ』、中世主義研究
伊藤盡[イトウツクス]
信州大学人文学部准教授。慶應義塾大学院文学研究科博士後期課程単位取得退学。専門は中世英語・北欧語文献学。日本中世英語英文学会、日本アイスランド学会会員、国際サガ学会会員(日本理事)、ロンドン大学北欧研究ヴァイキング協会会員、カンバーランド・ウェストモーランド好古家協会会員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヒデミン@もも
42
ジョン・コリアのこの美しいゴディヴァ。あのチョコレートのゴディヴァの由来ともなってるという実在の人物。なのに、この絵の裸の馬乗りの話しは史実ではないとか。。。だから作品によってゴディヴァの印象が大きくかけ離れているのか。。。しかし、この伝説が嘘なら銅像まである覗きみトムはどうなるの。2016/02/16
viola
7
レディ・ゴディヴァよりも誰もが知っているベルギーのチョコレート ゴディヴァのほうが有名になっている気がしますが、イギリス人ならさすがに誰もが知っているみたい。けれども、彼女が実在した人物で、覗き屋トムがここから来ているということを知っている人は少ないよう。その「トム」のかなり昔の銅像までが残っているとは。結局、如何に人が裸で馬に乗るというエロティシズムに惹かれるのか・・・・ということだった気がします。ただ、原書と翻訳どちらの問題なのか分からないけれど、興味深いのは1章だけで、残りは結構退屈でした。2012/01/10
わたる
2
中世主義とエロティシズムをテーマにした、中世英語文献学者による研究書。チョコレート会社の名になっているその名の婦人が11世紀のイングランドに実在したということを知る人はどれだけいるだろうか。伝承の上で彼女は、重税に苦しむ町の住民を救うため夫にかけあい、馬に乗り裸で町中を歩いた。一方、史実においては夫ではなく妻ゴディヴァが支配権を持ち、彼女は信心深く、町が圧制的であった証拠も無い。それから約二世紀後に馬・裸・重税(・覗き屋トム)といった要素が語られるようになり、我々はエロティシズムと中世に惹かれ続けている。2012/08/02
鳩羽
2
チョコレートメーカーの名前でも知られるゴディヴァ、その裸で馬に乗るという辱めの逸話がどのように生まれ、変容していったかを追いかけた論考。ゴディヴァとその夫の性格が時代や媒体によって違うのが面白く、下々のために高貴な婦人が辱めを受けるというモチーフ(でも実際は受けないし、我々も覗き見という罪からは逃れられる仕組みを内包してもいる)が魅力的なのがよく分かった。2011/12/24
メルセ・ひすい
2
15-94 アングロ・サクソン時代末期のイングランド人女性の名前が…ホントに全裸で馬に乗って…なの でそれ観た助平の♂の目がつぶれた!ヤヴァァイッ。それって「中世主義」? 懐古趣味的理想化…覗き見とグラマー美人の登場でタブーを巧みに利用しただけじゃないの…でもっ彼女の信仰心や1067年没 埋葬された場所はありあり。「ゴディバ社」の由来の貴婦人、11世紀の英国の伯爵夫人レイディー・ゴディヴァ。ノルマン征服以前のイングランドに端を発する、レイディー・ゴディヴァの伝説を研究した、意義深い最初の書物 2011/12/08
-
- 和書
- 私、子ネコがほしいの