内容説明
本書は、膨大な一次史料をもとに、産業政策、企業戦略、労働運動、そして地域振興の交点から、かつての基幹産業が陥らざるをえなかった負の連鎖を克明に描写する。エネルギー政策の重大局面を迎える今こそ、石炭産業をみずからの意思で失った理由とその意味を、われわれは再考すべきであろう。
目次
序章 日本の石炭産業―重要産業から衰退産業へ
第1部 衰退の構造的要因(戦時統制期の石炭増産と資材問題;「傾斜生産」構想と資材・労働力・資金問題)
第2部 政策手段の形成と企業の対応(産炭地域振興臨時措置法の形成と展開;第4次石炭政策と企業再編)
第3部 経営合理化と地域の対応(戦後炭鉱職員の職務・教育資格・人事管理;住友赤平炭鉱におけるビルド・アップの帰結;夕張市の産炭地域振興事業をめぐる利害調整)
補論 「日本石炭産業関連資料コレクション」
著者等紹介
杉山伸也[スギヤマシンヤ]
慶應義塾大学経済学部教授。1981年ロンドン大学大学院博士課程修了、Ph.D.
牛島利明[ウシジマトシアキ]
慶應義塾大学商学部教授。1993年慶應義塾大学大学院商学研究科後期博士課程単位取得退学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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