内容説明
福沢諭吉は20世紀を迎えるに当たり「独立自尊迎新世紀」と大書したが、世紀の黎明をしっかり見届け、その66年の生涯を閉じた(1901年2月3日)。それから100年、21世紀の到来も間近な今日、政治・経済・社会・文化の諸分野において世紀末の混迷は深い。本書は、いまあらためて福沢を時代の「テキスト」として繙こうとする読者におくる、異色出色の福沢諭吉論18篇―100年の歴史をもつ『三田評論』掲載のエッセイの中から選ばれた、23人の著者・講師(外国人2人を含む)による諸篇と、Japan Times、3人の無名婦人の弔詞弔文を収める。
目次
1 哀悼、そして回想(哀悼福沢諭吉;福沢翁の特性;福沢先生と長沼村の関係 ほか)
2 著作を通じて(福沢諭吉の道徳観に於ける「理」と「情」との観念について;福沢先生とその国際政治論;『福翁自伝』の思い出 ほか)
3 ジャーナリスト福沢(福沢諭吉とアジア;ヴェトナム近代における福沢諭吉と慶応義塾;「出版免許の課長」は本当に「大丈夫なる請人」であったか―明治七年の福沢批判に関する一史料 ほか)