内容説明
国体護持を使命として終戦直後に組織され、わずか七カ月後に解体された「禁衛府」。その全貌を明らかにした画期的な研究。巻末資料として、『禁闕守護教科書』(全4巻)を翻刻。
目次
第1章 昭和二十年・禁衛府の成立(はじめに;終戦時における禁闕守衛;禁衛府構想原案の作成 ほか)
第2章 禁衛府の制度、組織、人事(問題の所在;禁衛府官制の成立;皇宮衛士総隊 ほか)
第3章 禁衛府廃止経緯(問題の所在;新衛士募集;臨時皇宮衛士教習所 ほか)
感想・レビュー
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秋津
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敗戦直後、皇室守護の目的で設けられ、約半年で解体された組織「禁衛府」についての研究。軍事力不保持の方針を受け、軍事色を持たせないように組織の設計、運営がなされつつも、人材、装備などの面で旧近衛師団から引き継ぐ部分が多かったということです。本書では単に組織の説明に留まらず、禁衛府設立の背景などにも考察が及んでいます。終戦時のどさくさで公的資料が少なく、個人所有の資料や聞き取りで本書の多くが構成されており、「先行研究はおろか、公文書も大して残っていない状態で研究するって大変だな。」と。2012/11/17