内容説明
一見われわれの日常と関わりが薄く、近寄り難いイメージの「法と正義」。しかし、素晴らしい絵画を通してアプローチすれば、愉しく、身近なものになってくる。聖母のような正義の女神はなぜ目隠しをしたのか、ゴヤ、クリムトが時代の中で考えた正義とは。バリ島のビーマの大冒険譚。江戸庶民が鯰に託した正義の意味。最高裁に象徴される現代日本人の法意識…。本書は、古今東西の豊富な絵画を用い、法と正義の概念をイコノロジー(図像解釈学)の手法で平易に説いた、斬新な法文化論である。
目次
第1章 中世イタリア都市社会における「正義」のイメージ
第2章 目隠しされた正義の女神
第3章 ゴヤの正義
第4章 したたかなエディプスの反逆―グリタフ・クリムトの『法学』
第5章 クルタ・ゴサ旧裁判所天井画―ピーマ・スワルガに見るバリの正義観と救済思想
第6章 幕末維新期の錦絵―描かれた「法」と「正義」
第7章 法的象徴空間としての最高裁判所
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