内容説明
全翼機といえば今では米空軍のB‐2爆撃機が有名だが、50年前の1944年にはドイツのリピッシュがMe163コメート無尾翼戦闘機を実用化させていた。さらにアメリカではその4年前にノースロップがN1Mの飛行に成功していた。だが、実は日本でも1938年に萱場1型無尾翼機が飛行に成功していたのである。そのテストパイロットが、戦後、関西の民間航空会社・極東航空を興した一人である島安博であった。極東航空は1958年、東京で戦後同時に設立された日本ヘリコプター輸送と合併し全日本空輸となるのであるが、それは吸収に近いものであった。戦前の無尾翼機への挑戦、戦後の極東・日ペリ両社の奮闘、全日空誕生前後の秘話を紹介。
目次
第1章 日本の無尾翼機開発と島飛行士
第2章 戦後初の関西定期便・極東航空
第3章 合併で国内最大の路線網を構築
第4章 合併直後の下田沖事故を検証
第5章 誇りあるわれらが航空人生