出版社内容情報
世界経済の破壊的恐慌はこのサイクルの中でおこった!
50年のスパン、世界史的な広がりの洞察より発見された経済のダイナミズムから、この100年に1度の世界恐慌のその先を読み解く。マネーではなく、人間が主人公の世界を望むすべての人に!
内容説明
米国で過去30年、日本でも小泉政権以降“構造改革”という名で推進された新自由主義的改革。しかしその帰結は超格差社会、そして“リーマン・ショック”に始まる世界同時不況だった。本書は今日の状況を恐ろしいまでに言い当て、また未来への指針を明確に示している。
目次
第1章 未来は見通せていた
第2章 なぜ、私たちはルール変更を受けいれたのか
第3章 市場原理主義の起源
第4章 悪夢のサイクル
第5章 日本のシカゴ・ボーイズ
第6章 バブル再考
第7章 戦争との親和性
第8章 人間が市場を
著者等紹介
内橋克人[ウチハシカツト]
1932年神戸市に生まれる。神戸新聞社を経てフリー。ジャーナリスト・経済評論家として、時流に惑わされず本質を見抜き、半世紀以上にわたり勇気ある発言を続けている。『破綻か再生か』(94年)、『共生の大地』(95年)などでいちはやく市場原理主義への対抗思潮を展開し、『規制緩和という悪夢』(95年、共著)では規制緩和万能論を徹底的な取材で突き崩した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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呼戯人
20
もう7年も前に出版された本だが、ネオ・リベラリズム批判としては非常に鋭く深いところまで批判の矢が届いている本である。ネオ・リベラリズムがあるが故に、この酷い格差やテロや戦争が世界中に蔓延しているのである。戦争とネオ・リベラリズムの親縁性も指摘されているし、社会の絆がズタズタに引き裂かれてしまうことも指摘されている。貧困層は収入を求めて軍隊に入るし、軍隊がある以上戦争が引き起こされるメカニズムも分析されている。この酷い経済システムは民主主義も破壊するし、この世界を廃墟と化す原因となっている。2016/06/05
yori
6
★★★★★ ネオリベラリズム=新自由主義=市場原理主義がどの様な社会を生み出すのか、分かりやすく解説されている。共生社会というあり方を学んでみたい。2011/10/16
小僧武士
5
『村上ファンドは標的となる企業の株を買い集め、「経営陣をおくりこむ」。さもなければ、「企業価値」を上げろと、資産の売却を含む大胆なリストラ案を提示します。その結果、上昇した株価で売り、100%を越える運用実績を誇っていたのです。「乗っ取り」と批判される行為によって得た利益は村上ファンドに運用を委託していた日銀総裁の福井俊彦氏、規制緩和を推進してきた宮内義彦氏がCEOをつとめるオリックスのグループ企業に流れていったのです。』最近では会長を追い出した大塚家具とセブン&アイが外資に乗っ取られたようである。2016/04/17
きゅうり
4
恥ずかしいくらい何も知らなかった。いま世界では保守派のリーダーが次々に生まれている。日本も変わっていけるだろうか。2025/02/04
miracle96dn
4
外圧を利用しないと日本は変わらないなんて言説を、NHKの討論番組で昔よく見てましたけど、あれなどもネオリベラリズムへ向かう一場面だったんですね。国鉄がJRになったあと当時住んでいた山陰なんて一番あおりをくった口でした。以来、大店法緩和、郵政民営化、平成の大合併とうさんくさいものと見ておりましたが、地方はやはり荒廃の一途をたどっております。安倍自民も竹中平蔵を重用している時点で期待薄と見限りました。なぜ反グローバリズムの保守政治家が出てこないのか..不思議でなりません。2015/07/08