内容説明
森田療法の最大の特徴は、人間ならだれでももっている不安・緊張から逃げ出さず、それらをありのままに受け止めて、むしろプラスに転じてしまおうとするところにある。日本発祥、すぐれた精神療法理論の入門書。
目次
1 人はなぜ悩み、苦しむのか―不安の原因(身体と心の関係;完全欲;被害者意識;逃避;過度の反省癖;固定観念;強迫観念;劣等感;神経質)
2 森田療法とは何か―森田療法の基本(「あるがまま」に生きる;知・情・意のバランスをとる;不安は人間本来のものと考える;心の葛藤から逃げない;生産的な心に替える;マイナスな心をプラスの心に転じる;ストレス反応を見抜く;薬物に頼らない;科学的である;刺激をいったん絶ってみる;症状によって治療法を替える;日本人の心情に合わせる;東洋的合理主義を生かす;禅を生かす;将来の目的をみる;欲求不満を逆用する;行動を変えていく;自己を発見する;まず外形をととのえる;目の前の作業に一時的に没頭する;関心を外に向ける)
3 森田療法を毎日の生活にどう生かすか―森田療法の応用(赤面恐怖;健康法神経症;縁起恐怖;昇進恐怖症;強迫神経症;期待不安;対人恐怖症;不安神経症;書痙;引っ越し神経症;不眠症;子育て不安;うつ病;不定愁訴;強迫観念;五月病;態度価値)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ぱんにゃー
43
【不安は『あるがまま』に】『不安や恐れ、劣等感とともに生き、現実に即して行動していく』『劣等感も「あるがままに」受け入れ、消去しようと思わない』『不安がありながらも、悩みながら生きていけばいいではないか』『不安を不安として認める』 いいんだってば 『あなたには、あなたのできることしかできないはずです』2014/09/23
あこ
10
森田療法は精神療法の1つで、もともとは、神経症治療のために編み出された方法だが、そうでなくても、心の不健康に悩む人の助けになる本。森田療法の最大の特徴は、人間ならだれでももっている不安・緊張から逃げ出さす、それらをありのままに受け止めて、むしろプラスに転じてしまおうとするところにある。私は「ありのまま」って言うのは簡単だけど、難しいなあと思うのです。思っていたけど、本書の多くの事例から、「ありのまま」とはどういうことか、自分の中にストンと落ちました。2014/09/13
ひだり
4
あるがまま、の心でいること。 目の前のことを一つ一つ着実にこなす。 具体的な療法よりも、考え方や活かせる病状についての話が多いです。2024/12/11
moko
3
様々な実例を基に森田療法についてわかりやすく書いてあったが、結局はすべて副題である「ありのままの自分を受け入れる」ことが大事だという話の繰り返しでした。不安があるのは当然。だから不安を無理に取り除こうとしたり逃げたりするのではなく、不安を持ったままでもとりあえず行動しなさい、と。2009/10/22
おこめ
0
わかりやすい内容 症例別になっているのが良い2016/02/20