内容説明
父の終着駅は、娘の始発駅。紀行作家25年の歳月を遡る追慕の旅。
目次
ある日、父が「作家」に
書斎の光景
遊び場がわりのパパの部屋
紀行作家は留守がち?
時刻表のような妻
旅の身支度
愛しの“川井玉三郎”
娘たちへの絵葉書
旅の便りも作品のよう…
父の手土産〔ほか〕
著者等紹介
宮脇灯子[ミヤワキトウコ]
故・宮脇俊三の長女。1968年東京生れ。成城大学英文学科卒。1990年より3年間、出版社で料理記者。退職後「エコール辻 東京」でフランス菓子を学び、1995年パリのエコール・リッツ・エスコフィエで製菓コース修了。1997年、アルザス地方の都市ストラスブールでホームステイをして以来、たびたびアルザスを訪れ、郷土料理や菓子について学ぶ(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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山猫
7
編集者から作家への転身あたりから話が始まる。テツにとっての神様も家では困ったパパだったらしいが、そういうことが読者は知りたいわけだから、これは有難い作品。中山忍と夕張を旅する番組の頃は、既に重度のアルコール依存だったと考えられる。ところで、藪蚊はアルコール臭い人、二酸化炭素排出量の多い人、体温の高い人に集まるって、ご存知なかったのかな?2018/04/11
ジュースの素
3
長女による父、宮脇俊三の記録だ。名編集長と言われていた出版社を辞めて、フリーの物書きになった。『時刻表二万キロ』を皮切りに世界中を歩き、名作の鉄道ものを書いた彼だが、家族は大変だったようだ。気難しいし、酒飲み、大の偏食家で、しかし、奥さんは利口で困りながらも軽くあしらっているように見せていた。長女の灯子さんはおっとり育ち、コネで編集者に。以後、食のプロになるからきっかけは大事だ。2015/10/09
siomin
1
紀行作家宮脇俊三の娘による父親評。名編集者でかつ紀行作家だから家を空けてばかりかと思いきや,ちょっと気難しいけどけっこうなマイホームパパだったとか。作品の中でも飲酒する描写が多いけど晩年はほぼアル中生活のようで,読んでいてちょっときつくなった。 作家に転身するに伴い安定収入を得るためにマンションを建てたが,新しい書斎で書いた作品はそれ以前より面白くないらしい。そのマンションは現存しなおかつ隣は北杜夫邸というとは驚きだ。2021/10/12
讃壽鐵朗
0
晩年の宮脇俊三がアル中であったことばかり書いてあるような本で読まなかった方が、宮脇俊三の本の印象をよく保つためには良かったと感ずる。 が、60歳になるまでの作品を改めて読めば、そこはかとなきユーモアが漂っていて名作であることは確かで、その後に筆力が衰えたということか。2013/11/23
ジュースの素
0
宮脇俊三氏を内側から見て書いたもの。 布団が大好きと言う面白い人で、自由業をいい事によく布団に入っていたらしい。 食べ物の好き嫌いが多く、本当に母は大変だ。 私もあの名作に感動して来たが、このような人だったのか…。2025/05/07