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内容説明
イギリスの収集家、ハンス・スローン卿のコレクション「スローン写本」には、15世紀にイタリアで制作された薬草誌『Tractatus de Herbis』が収蔵されている。そこには、かつて薬として珍重された植物、動物、鉱物など、500に及ぶ装飾画が収められ、それぞれ短い解説が添えられている。美しくも謎に包まれたこれらの図画はなにを物語っているのだろう?フランスの歴史学者のジュヌヴィエーヴ・グザイエが、この写本の神秘の世界にあなたを誘い、西欧の中世医学とかつて先人たちが用いた薬草の秘密を解き明かす…。
目次
第1章 『Tractatus de Herbis(藥草誌)』(スローン寫本4016)(薬草書か、単味薬の装飾画集か?;薬草書:起源は古代ギリシャ・ローマ;中世の薬草書)
第2章 医師、病氣、医療行爲(先祖はどんな病気を患ったか?;医療とその実践者たち;治療法;治療薬の成分;医療とその実践者たち)
第3章 修道院の藥草療法(6~12世紀)(修道院:医療に捧げられた場所;医療を行う修道医)
第4章 サレルノ医學の時代:スペインと南イタリア(中世初期の古代遺産;西方ラテン世界におけるアラビア医学の受容;スペイン;モンテ・カッシーノからサレルノへ)
第5章 宮廷、大學、都市:医療活動の新たな枠組み(ホーエンシュタウフェン朝、フリードリヒ2世の宮廷;養生法:宮廷の医学文献;大学:医療の新たな現場;都市における医療体制の充実)
著者等紹介
グザイエ,ジュヌヴィエーヴ[グザイエ,ジュヌヴィエーヴ] [Xhayet,Genevi`eve]
パリ高等研究実習院(´Ecole pratique des Hautes Etudes:EPHE)を卒業、リエージュ大学で史学博士号を取得。リエージュ大学科学・技術センター副所長を務める。専門は、中世から近代における実践医学史および薬学史
久木田直江[クキタナオエ]
1957年生まれ。2001年イギリスのエクセター大学にて英文学博士号を取得。静岡大学人文社会科学部教授。専門は中世英文学・文化史・医学史・キリスト教図像学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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