内容説明
流行のコンセプトや成功事例ばかりがメディアを流通する。しかし、日常生活や社会環境がその必要から生み出した工夫や営みにこそ、デザインが向き合うべき課題がある。現場から生まれる思いがけないクリエイティビティをテーマに世界各地の事例を伝え、高い国際的評価を得たデザインジャーナル『Works That Work』の主要記事を日本独自編集。「ガラパゴス」を越えて世界に再接続し、グローバルとローカルの狭間からデザインを考えるためのデザイン読本。
目次
第1章 技術と市場(世界を小さくした容れ物;ポータブルな境界線 ほか)
第2章 社会と日常(ダビドの塔:都市で生き抜くためのクリエイティビティ;偽造市場 ほか)
第3章 政治と環境(世界でもっとも新しい国のブランディング;ルワンダの反プラスチック戦争 ほか)
第4章 理念と倫理(祖国は全世界;世界を征服した靴職人 ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
くさてる
14
デザインというからには、服とか家具の話かと思ったら全然違って、けれど面白かった。群衆を制御する柵や米軍兵士が外国で住民とのコミュニケーションに使用するイラストガイドや開発中止になった廃墟のビルに住み着く人々、大学卒業証書や免許書などの偽造文書市場などなど、世界各国、様々な時代、性別、社会階層での日常を動かす大きな意味でのまさに「デザイン」。知らなかったことがたくさんあって、読み応えある内容。写真も豊富で面白かったです。2020/10/03
iwtn_
2
Works That Work という、デザインジャーナルを総集編のようにして訳した本。17の記事といくつかの小さな記事があるがどれも示唆的で、全体を読み終わるのに時間がかかった。最初のコンテナの話は「コンテナ物語」で知っていたが、他の記事も同じくらい大事な話だった。意匠だけではなく、タイトルの通り名前のない様々な分野での、意図しない設計も取り上げている。偽造市場、建設が途中で止まった高層ビルに住む人々、世界パスポート、トマーシュ・バチャの靴産業から生まれた都市などが強く印象に残った。2020/06/14
Qfwfq
0
★4.52020/10/04