内容説明
最古の合成顔料は、古代エジプトで生まれた?最上質の高貴な紫が、海の巻き貝から採れた?人間は絵を描くために、鉱石、有毒金属、昆虫、家畜の骨や糞尿など、ありとあらゆるものから色を取り出してきた。錬金術から偶然の出会いや失敗まで、驚くべき方法で生まれた古今の顔料50種以上の物語を紹介。古代世界をかけめぐり、近代科学の飛躍をたどり、美術、歴史、科学、デザインの分野をまたぐ色彩の物語は、無限の興味と驚きに満ちている。
目次
1 人類が最初に手にした色
2 文明の始まりとともに
3 ギリシャ・ローマ文明と色
4 中世の色
5 書字インクの色
6 染料、レーキ、ピンク
7 謎に包まれた色
8 色彩の爆発
9 色彩のすばらしき新世界
10 現代科学が生み出した色
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
なる
34
色材への情熱から油絵具メーカーを起業した著者。小さな工房から始まり、会社が大きくなった今でも工房で色を混ぜ合わせてできる色に見とれていることがあるという。色材と向き合った実地にかなった知識を持ちながら顔料の歴史を鮮やかな写真付きで紹介している。光の三原色RGB、混色の三原色CMYから始まり、絵具の作り方、基となる顔料の作り方まで説明してくれる。レシピもある。原材料は必ず最上級のものを購入することを読者に勧めており、一般人が顔料を作ることが当たり前だと思っている節がある。最高にイカれている(褒めてます)。2021/11/27
猫路(ねころ)
13
顔料の歴史はとても古く、開発されては、廃れていく。後半になると、普段目にするような絵の具の原料になる顔料が登場する。最後の現代アートのページもすごく色と光が美しく綺麗でした。2024/07/21
ganesha
4
油絵具メーカー・ラングリッジ社設立者による、時代ごとの顔料の物語と、色にこだわりを持つ現代アーティストの作品の紹介。鮮やかな美しい写真も楽しみつつ読了。ラピスラズリ100gから純ウルトラマリン顔料は4gしか取れないとは。高価だったはずだ。2023/04/03
takao
2
ふむ2020/11/04
riri4125
1
新聞の書評で紹介されていたので読んでみた。 著者は油絵具メーカーの経営者のようだが、水彩画を少し描く自分にも、色の名前の由来など面白かった。 色によって絵の具の値段が全然違う(めちゃくちゃ高い絵の具がある)理由がよくわかった。そして写真が美しい・・・2021/02/21