内容説明
文学からインスピレーションを得て生まれ、ロマン主義、新ロマン主義、象徴主義とともに成長してきた、「幻想的」で「不気味」、「悪魔的」で「悪夢」のような幻想版画。本書は、フランシスコ・デ・ゴヤにはじまり、ウジェーヌ・ドラクロワ、J.‐J.・グランヴィル、ギュスターヴ・ドレ、ロドルフ・ブレダン、シャルル・メリヨン、オディロン・ルドンにいたるまで、フランス国立図書館所蔵の貴重な名作版画を収録。幻視者たちが目の当たりにした、黒と白の美しき闇黒の世界へといざないます。
目次
幻想版画あるいは19世紀ロマン主義の黒い糸(幻想とロマン主義;版画 幻想のテーマとモチーフの伝達者;白と黒の版画、精神の媒介者)
文学的源泉と大衆的幻想の間で―1830年のロマン主義世代(ドラクロワ、シェークスピア、そしてゲーテ;ヴィクトル・ユゴーのもとで、ルイ・ブーランジェとセレスタン・ナントゥイユ;幻想挿絵本 トニー・ジョアノとJ.‐J.・グランヴィル;大衆版画におけるファンタスマゴリーと悪魔画)
レアリスムを襲う幻想―1860年代の新ロマン主義(レアリスムの申し子を誘惑する幻想 ブラックモンとルグロ;鏡のごとき銅版画 版画家たちの幻影と妄想;現実界の地平に位置する不合理 ロドルフ・ブレダンの憑りつかれた風景;ギュスターヴ・ドレのクレヨン技法 「ロマン主義最後の魔法の杖」)
象徴主義の萌芽と死の幻―世紀末の版画家たち(「夢の中で」 オディロン・ルドンの黒;死の舞踏 死神の回帰;変幻自在の悪魔たち)
著者等紹介
シュール=エルメル,ヴァレリー[シュールエルメル,ヴァレリー] [Sueur‐Hermel,Val´erie]
フランス国立図書館、版画・写真部門主任学芸員。19世紀コレクション責任者。ルーヴル美術学校版画史教授。多くの版画展覧会においてキュレーターを務める
千足伸行[センゾクノブユキ]
1940年、東京生まれ。東京大学文学部卒。東京放送(TBS)を経て国立西洋美術館に勤務。1970‐72年、西ドイツ政府(当時)奨学生として、ミュンヘン大学に留学。1979年、西洋美術館を辞し、成城大学文芸学部に勤務、2011年3月定年退職し、現在同大学名誉教授、広島県立美術館館長
冨田章[トミタアキラ]
1958年、新潟生まれ。慶應義塾大学文学部、成城大学大学院卒。東京ステーションギャラリー館長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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