内容説明
16世紀ヨーロッパを魅了した奇想の画家ヒエロニムス・ボス、「バベルの塔」を描いた画家ピーテル・ブリューゲル1世。このふたりを始め、両者に影響を受けた同時代の画家が描いた絵画を舞台に、ヒグチユウコが新たな幻想世界を繰り広げます!
著者等紹介
ヒグチユウコ[ヒグチユウコ]
画家・絵本作家。個展開催を軸に様々な企業とのコラボレーションなどを経て現在はオリジナルブランド『Gustave higuchiyuko(ギュスターヴ)』を展開中(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
buchipanda3
91
ヒグチさんによるボスとブリューゲルのオマージュ画集。画風があの世界観にぴったり。タラ夫とギュスターヴくんとひとつめちゃんの共演が最高。「バベルの塔」で彼方にいる巨大なひとつめちゃんと散歩しているひとつめちゃんがいい感じ。緻密な絵の細部のこだわりが堪らない。「放浪者」が「略奪者たち」となり、乗っかるギュスターヴくん、まとわりつくギュスターヴくん、うはは。「樹木人間」のあの空間ですまし顔で会議する姿にも思わずクスクス。「大きな魚は~」は元々グロい世界だけど不思議とユーモラスで、その感じも巧く表現されていた。2019/11/08
sin
86
バベル!楽しい創世記:-)ボスとブリューゲルの世界をヒグチユウコが浸食する!猫なの?蛸なの?蛇なの?お馴染みギュスターヴくんと新たなモンスターひとつめが縦横無尽に這い巡る!そこは人間どもの世紀末、モンスター達の楽園。2017/06/21
Vakira
56
「バベルの塔展」を東京都美術館に見に行き、そこでこの絵本を発見。オ~ ヒグチユウコさん素晴らしい。ボスとプリューゲルの絵画の詳細までのパロディー。画風はボス、プリューゲルのまんま。絵画の中の人物がひとつ目君であったり、ギュウースターブ君。元々プリューゲルは細部まで拘って描くので、この画集も細部まで拘って描かれてます。見ていて飽きません。想像力が膨らむし、勝手に物語も作れます。ヒグチユウコさんの描く絵が好きだったのでこの企画本は僕にとって最高です。青山のイラスト画展も見に行かねば・・・2017/04/26
ミエル
38
ブリューゲル、ボッスとコラボのようなオマージュ作品群。偏愛ぶりがグイグイ伝わり、眼福。読み込むには何度も見返す必要があるのだけれど、時間を忘れるほど魅力的な作品ばかり。細密で濃厚なヒグチユウコの世界は、ダークでブラックジョークのような生き物がたくさん。飽きることなく見ていられる絵って案外少ないのにね。媚びない作風、「劇画調可愛い」を堪能できて幸せ。可愛らしい動物たちよりもこのダークさが私好み。2017/11/19
はな
34
ブリューゲルもボスも、美術関係には全く詳しくないので知らなかったけど、ヒグチユウコの世界観とマッチしていてとっても素敵な画集。無駄な描写など一切ない、細部まで描き込まれたモノクロ絵に金箔押し。見れば見るほどその美しさにうっとりしちゃう。最後にオリジナル絵との比較もあるのでわたしみたいに知らなくても楽しめる。ギュスターヴくんとひとつめちゃんがあちらこちらにいっぱい!グロテスクなキュートさがクセになる。図書館本だけど手元に置いておいて何度も読み返したい一冊。2018/11/12