内容説明
カリフォルニア、ウエスタン・ファンデーション脊椎動物博物館から厳選した、貴重な５０個の鳥の巣を、スタジオ撮影した貴重なフィルムの数々。俯瞰で撮影された大判の写真からは、この奇跡ともいえるミニチュア建築物の高い創造性や技巧性だけでなく、家主の習性や行動、知恵までも見てとることができる。芸術的ともいえる鳥の巣と、その不思議を解き明かす解説文からなる、美しい写真集。
著者等紹介
ビールズ，シャーロン［ビールズ，シャーロン］ ［Ｂｅａｌｓ，Ｓｈａｒｏｎ］
サンフランシスコ在住のフォトグラファー。ゴールデン・ゲート・パーク内のストリビング植物園、カルフォルニア大学バークレー校学士会館、脊椎動物博物館などで作品を展示。雑誌オーデュポン、フォト・ディストリクト・ニュースなどに作品が掲載されている（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
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ひめありす＠灯れ松明の火
41
書店で見つけて興味を持ち。背景がビロウドっぽい黒で統一されているせいか、それとも役目が終われば遺棄されるという宿命があるせいか、いっぱいに広がった花火を何故か思い出しました。消える直前の、儚い感じの花火。野鳥の卵って保護色で薄茶色とか多いのかな、と思ったら水色が意外と多くて吃驚しました。むしろ半々くらいです。可愛いなあと思ったのは表紙のコベニヒワ。あとお花で作ったアンナハチドリ、時計にしたら素敵だろうオニアジサシ（貝殻で作ってある）、ニシタイランチョウの卵はハートマークが鏤めてあってとっても可愛いのです。2014/10/13
kaori
41
50種の鳥の巣の写真集。一瞬作り物かと見紛うぐらいに美しい。特に印象的だったのが３つ。オニアジサシの巣は浜辺を浅く掘って貝殻や海藻で作る。その貝殻の並べ方や色合いが絶妙。まさにオブジェ。コベニヒワの巣は表紙のもの。ヒナが傷付かないよう、寒くないよう、獣毛や羽毛がぎっしりと敷き詰められていて、親鳥の愛情がうかがえる。イエミソサザイの巣にはヒナの亡骸が残されている。飛べないヒナは残されて死んでしまうのだそうだ。悲しいことだが、その棺が親鳥の作った巣であるのが、まだ慰めなのだろうか。2014/09/10
マリリン
39
芸術作品のような鳥の巣は自然の中で見る事ができたら更に感動が増すのではと思わせる(そういう意味ではやや残念）。形状も工夫され、素材も形状もそれぞれ独特、貝殻や動物の骨・蜂の巣等意外なものも使い巣作りしている。美しい巣の写真と神秘感がある卵の写真と共に、鳥たちの夫婦形態から巣営、卵を産み孵化し、旅立つまでの姿、子育てする姿等が微笑ましく書かれている。50個の巣に細かい字の丁重な説明も書かれていてかなりのボリュームだが、価値ある一冊。 やはり屋外で実物をみてみたいとの誘惑に駆られる。2021/01/14
PEN-F
35
「写真集 鳥の巣」図鑑とは違い、さすが写真集と謳っているだけあり、撮り手の撮影技術が極めて高いです！こうして改めて見ると鳥の巣って芸術品ですね♬ とくに“オニアジサシ”という鳥の巣は色とりどりの貝殻を集めて作っていて色彩的にもかなり洗練されたミニチュア建築物って感じです。鳥の巣って、各々の鳥たちの創造性や技術力がよく分かる、彼らの芸術作品なのですね♬2021/12/26
内島菫
26
椀型、もう少し浅い皿型、袋型と、鳥の巣には様々な形があるけれど、どれも木の枝や葉、細根、紐、動物の毛、羽毛、貝殻等が、ぐるぐる渦を巻くように組まれている。そしてたいてい、外側は素材も巻き加減も粗く、内側の産座は柔らかい素材で密になっている。特にカリフォリニアムジトウヒチョウやウタスズメの巣などは、一つの小さな渦巻宇宙のような、見ていて心地いいきれいな円形をしている。かつては、鳥の巣の収集を趣味にしている人々がいたことも分かる（今では世界中でほぼ禁止されているとのこと）。2018/01/10
