内容説明
水のおもむくままに、絵の具もおもむくままに、紙ですらも季節を感じ取りながらゆっくりと、時に風の力を借りてすばやく乾く。にじみやぼかしは、そうした自然に起きる力の結果であり、それを生かしながら筆を入れていく、水彩画の魅力。
目次
1章 Transient―はかない命つかの間の命‐1日花ほんの数時間で終わってしまう花がある…
2章 Impressive―印象に残る風景‐五感にまつわる記憶:訪れた場所の空気、音、匂い、色…
3章 Imagination―イメージが広がる‐人物そしてコラージュするということ
4章 Japanese―日本的なもの‐なつかしさ古いものと巡り会いみちびかれた技法
5章 Atmosphere―とりまく空気感‐ものの気配モチーフたちと語り合い構成する
著者等紹介
永山裕子[ナガヤマユウコ]
1963年東京生まれ。1985年東京藝術大学油学科卒業。在学時、安宅賞、大橋賞を受ける。1987年東京藝術大学大学院(彼末宏教室)修了。現在、大塚アトリエ主宰。東急BE渋谷教室、NHK文化センター青山教室で講師を勤める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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はる
11
透明水彩で描かれた彼女の絵を初めて観たとき、水彩画でこのようにも描けるのかと、目眩がした。透明ながらも深い質感。滲みの縁取る花弁には周りの空気が溶け込んでいるような。透明な水盤に満たされた水に投げ込まれた活き活きとした花の茎。粗塩を使い絵の具の偶然を鳥の子紙に描き出す。そうかと思えば、色のよごれに浮かび上がるプラハの古城。最近彼女はどんなマチエールに向かってるかと気になった。2023/06/21
退院した雨巫女。
6
独特の色合いと構図面白い。透明水彩で、絵を描いてみたくなりました。2010/10/15
海月咲
2
宝石箱みたいにちらばる色たち2011/04/17
まとり
0
独特な色遣いで幻想的な作品集。手元に置いておきたい。2015/07/13