内容説明
小さな日常をいつくしむ。
目次
ウインドチャイム(町田康)
“気”のこと(江國香織)
余所の猫(酒井駒子)
爺さんのパスタ(ヤマザキマリ)
昭和史を語り継ぐ覚悟(保阪正康)
古書とエムワキさん(潮田登久子)
役者と犬の名(関容子)
空き瓶の居書所(鴻巣友季子)
水鉄砲を買っているところを見てくれ(片岡義男)
おくりもの(小池昌代)〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
けんとまん1007
62
余分な力を抜いて、ページをめくる。いろいろな視点があり、どれもうなずいてしまう。そうそう、そんな場面、確かにあるよね。。。こんな風に、文章をしたためることができるようになりたいと思う。ふと、思ったこと。共通するのが、深い思いを持ち、それを平易な言葉で紡ぐこと。そのための素養を持つこと。2023/06/06
pohcho
54
「暮らしの手帖」などに掲載された随筆集。シリーズ全4冊の中の2冊目は「日々の気づき」にまつわる作品が収録されている。67人の豪華執筆陣。江國さん、角田さん、津村さん、中島(京子)さんなど好きな作家さんの文章はもちろん楽しいが、新しい方との出会いや知らないことを知る歓びもあった。全盲の方のつむじ風の話は可愛かったし、パレスチナのガザ地区の話は印象深い。ダーニングというのは初めて知った。ご近所の洗濯物の話はおかしかった。一編が3頁程なので、細切れ時間に少しずつ読むのにもよかった。2023/05/24
とよぽん
49
暮しの手帖、この豪華執筆陣はさすがだ。どこから読んでも、どこを読んでも味わいのある生活の一コマが綴られていた。2024/11/30
あつひめ
35
誰にでも忘れたくないことや忘れてしまいたいことはたくさんある。でも、残念ながら人間の脳みそには限界もあり、年を重ねると忘れることができるから生きていられることも多々あると思う。67人の方々の長い日々の中でキラッと光るものが並んでいる。これはとても贅沢な1冊だ。坂井真紀さんのニッポンのお母さんパワー銭湯編は自分のことではないけれど私も記憶の端に残してしまいそう。子を育てるのは親だけの仕事ではなく世間の大人も口を出し手を出し支えあう。読者にもその情景を分けてくれた温かい1話。気持ちを穏やかにしてくれる1冊た。2024/12/16
亜希
26
1編3ページほどの短い随筆集。豪華執筆陣に引き寄せられて手に取ったけれど、短さもあり、正直特になにも残らないものも多かった。ただその中でも、恩田陸さん、唯野未歩子さん、森絵都さん、岸本佐知子さん、花田菜々子さんの話は面白く、心に残った。そもそもこういうエッセイ集は、一気読みではなく1日1編ずつなど少しずつ楽しむべきなんだろうな。…と毎回思うのですが、私は一気読みしてしまいます。2023/04/26