内容説明
NHK教育テレビ「ピタゴラスイッチ」や「2355/0655」を世に送り出し、東京藝術大学で教鞭をとる筆者が、日々の暮らしの中で、心の網にかかった物事を独自の学殖と考察で紐解いてゆく。
目次
「たくらみ」の共有
敵か味方か
おまわりさん10人に聞きました
~と、オルゴールは思い込み
物語を発現する力
中田のスルーパスと芦雪
もう一人の佐藤雅彦
想像料理法
広辞苑第三版 2157頁
この深さの付き合い〔ほか〕
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akky本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
nico🐬波待ち中
75
自分の考えを整頓する。書くと簡単だけれど実際はなかなか難しい。佐藤さんの頭の中は実に論理的で、その上物事の見方もちょっとユニーク。あとがき『歩きながら考える』とあるように、自分がちょっとでも不可解だと思った事に対して、止まることなく常に周りをぐるぐる歩きながら理解していって、自分なりの理論を生み出していく感じが面白かった。『ピタゴラスイッチ』の中で生まれる面白い発想の数々も、こうやって形付けられているのだろう。だから子供から大人までファン層が幅広いのだと思う。何にでも面白がることって大事だ。2022/12/18
鱒子
63
図書館本。ピタゴラスイッチなどで有名な佐藤雅彦さんのエッセイ。 こんな事考えておられるのか。発想が豊かで飛んでいる。面白いなぁ、すごいなぁ。佐藤さんはご自身の活躍を アートではなくデザイン と分類してらっしゃるようです。2018/05/23
けんとまん1007
40
これ、何度も読み返したい!知的刺激に溢れている。こういう発想・思考をたどる術があるから、ピタゴラにいきつくんだろうな。ふとした時に思い出すとか、メモ代わりに・・・という件は、なるほどと膝を打った。その気持ちが、あまりにも、わかりすぎるからだ。あと、目線の位置を変えるだけで、こんなにも違うのかということもある。考えの整頓。整頓は、最後までいきついたからこその整頓なんだろうな。2012/08/29
ま
36
物の永続性。すなわち、物は理由もなくなくならないということ。「いないいないばあ」は物の永続性を体得したばかりの赤ちゃんが楽しめる遊び。そうか、人を亡くした時の喪失感ってこれと表裏一体なのかもしれない。2023/02/15
犬こ
35
暮らしの手帖の連載エッセイ。ふつうのエッセイとは異なり、なにかしらの捻りがあり、なるほどね~とその考え方が刺激的でした。文章のうまさ、発想力がふんだんにつまっているも、暮らしの手帖らしい、落ち着き感が読んでいて心地よいエッセイ。2016/04/09