内容説明
みずみずしい感性と高い芸格で見る人を魅了した観世銕之亟(観世流シテ方・人間国宝)が、分かりやすい言葉で能の本質を語った全十四話。
目次
ようこそ能の世界へ
能はミュージカルのようなもの―囃子と謡
前後左右から無限に引っぱられて立つ存在感―演技について
能と歌舞伎―道成寺と娘道成寺・安宅と勧進帳
舞は能のなかの魅力あふれるひととき
能「羽衣」を演じるとき―楽屋、鏡の間、そして舞台へ
能面のことをお話ししましょう
女面のなかにあるさまざまなマジック―小面から般若まで
修羅の能の魅力
能のなかのさまざまな鬼
能装束
共に演じる人々
私が演じてきた舞台
銕之亟家のこと 私のこと
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ミカママ
464
心の友より贈られた一冊(単行本でなんと2400円‼️)。高額の秘密は、そのふんだんに盛り込まれた写真と美しい装丁だろう。まずは表紙の美しさに惹かれる。着物の刺繍に指を這わせたくなる。現役の能楽師の語る(話しかけられるような文体)能のすべて。内側からのエピソード、能面ひとつ、着物一枚にもある物語。ご本人が「できるだけ分かりやすい言葉で、能の本質を魅力的に伝えたかった」とおっしゃっている通り、入門書として(その後も繰り返し読める書としても)ベスト本。2020/02/20
KAZOO
113
狂言の本などはいくつか読んできていますが能の本についてはすっかりご無沙汰ということになっています。やっと積読本から読んでみました。大学生時代にはかなりかぶれたものの仕事についてからは・・・。この本は観世流のシテ方が14つの話で分かりやすく脳についての話をしてくれています。また写真なども豊富でより理解が進むものと思われます。手元において時たま読みなおそうと思っています。2020/04/14
chantal(シャンタール)
91
「俺の家の話」を観てたら、これ読むの今でしょ〜と。人間国宝の観世銕之亟八世がお能の面や装束、歴史についてとても分かりやすく解説している。前に梅原先生の能の授業を読み、演目については少し知識があったのでとても楽しめた。とにかく何が素敵って、衣装の数々!カラー写真で紹介されているのでその美しさにうっとり。江戸時代の加賀前田藩のものもあったりする。八世が言われた通り、学校でクラシック音楽を聴かせるのも勿論いいんだけれど、お能や歌舞伎などを見せて古典芸能や古文に親しませる、そんな教育があっても良いと思うよね。2021/04/05
佐島楓
63
課題のため読んだが、とてもためになった。語り下ろしの形式なので読みやすいし、能における面や装束、踊りや舞台といったものについてわかりやすく説明されている。能入門に際して一冊選ぶとするなら、この本がよろしいのではないだろうか。2017/08/06
ソバージュ
9
八代銕之亟著。能の入門書系を数冊読んできたが、この本は一番解りやすく腑に落ちた。面や装束の選択、作品の内容や世阿弥の功績、能の魅力がすっと胸の内に入り能への興味が膨らむ。面をかけてこそ表現できる世界をいつか堪能できるようになれるかしら。2020/04/13
-
- 和書
- アナーキズム 現代思想