内容説明
日本の格付の歴史は僅か15年。それも米国からの輸入もの。97年11月3日、三洋証券が会社更生法申請しコール市場がパニックとなる。同11月7日拓銀が破綻。そんな中11月21日ムーディーズが山一証券の格付を格下げ発、11月24日自主廃業。この一連のストーリーを本書は明快に解く。第1、2章は我が国社債市場の格付の歴史が国際化への外圧と米国の手動によって誕生したいきさつや、制度発足当初の動きを克明に記述した貴重な読みもの。第3章以降は格付会社の実態やその問題点等をリアルにまとめた読み応えのある必読書。
目次
第1章 日本における社債市場と格付けの略史(戦後の社債発行制度;格付制度のスタートと格付会社の活動)
第2章 格付会社の活動と債券市場および投資家との関係(格付会社の誕生期前後―1984~87年;格付会社の営業活動と各社の力関係―1988~95年 ほか)
第3章 格付けをめぐる議論(格付けの意味するもの;格付けの正しさとは ほか)
第4章 格付けに対する批判(信用不安シンドロームの虚実;格付けへの批判 ほか)
第5章 ビッグバン時代の金融資本市場と格付け(日本に格付制度が根付きにくかった理由;ビッグバン時代の格付け)