内容説明
近年、若者の間に無声映画の復活が静かなブームとなり、各地の小劇場等で上演される機会が増えているが、無声映画の醍醐味はなんといっても弁士の話術ひとつに掛かっている。だが、何種類もの声色を自在に操り、当意即妙に会話を駆使して筋を観客に送ることが出来る弁士は、ごく僅かしか残っていない。日本映画文化百年の歴史の中に燦然たる時代を築いた映画説明者(弁士)の真実の姿が今、現代に甦る。
目次
第1部 「藤村緑郎」伝(サイレント創成期;新進花形弁士;偉大なるオヤジ緑蔭;一世一代男の花道;長女まり子誕生;北海道の若虎;極道弁士の本領;まり子の死・遊蕩;活弁最後の日)
第2部 「戦士たち」の遺言(昭和38年代;昭和39年代;昭和40・41年代)
第3部 「括弁本流」の恢復を(擬似文化を切る―藤村緑郎初代;若き日の追憶―林旭風;無題―藤村緑郎二代目)