内容説明
1981年霞ヶ浦富栄養化防止条例が制定され、次いで1984年には湖沼法が公布され、霞ヶ浦水質保全計画が4期作成されて、永年にわたって対策が実施されてきた。それなのに霞ヶ浦の水質はそれほど良くはなっていない。なぜなのだろうか?本書は、霞ヶ浦の事例を中心に、湖沼や河川の水質ならびに生活系、畜産系、農地系、森林系などの研究・調査の内容に加えて、湖沼環境行政上の計画や対策の内容および市民活動など幅広く記載し、他の多くの湖沼との比較も行いながら、湖沼水質保全の全般および生きている湖沼との関わり方をわかりやすく述べている。
目次
霞ヶ浦とは
霞ヶ浦の汚濁原因究明に明け暮れた時代―1970年代
窒素・リン規制の時代へ―しかし改善は進まず
なぜきれいにならないのか?―多様な多くの汚濁発生源
浄化役の森林と湿地・水田の窒素除去機能
湖内にも問題山積
現在の汚水処理で十分か?―森林流出水による希釈が必要
第4期霞ヶ浦水質保全計画―その作成手法と内容
日本の主な湖沼の水質と水質保全計画
湖沼の排出負荷と汚濁負荷―その大きな違い
霞ケ浦流域の市民活動と研究者の活動
規制の流れと今後の課題
著者等紹介
田渕俊雄[タブチトシオ]
1935年、東京に生まれる。1957年東京大学農学部農業工学科卒業、同農学部助手。1964年同農学部助教授。1972年茨城大学農学部助教授。1987年同農学部教授、評議員。1990年東京大学農学部教授。1991年同評議員。1995年東京大学退官。この間日本学術会議会員、農業土木学会会長・日本農業工学会会長をつとめる。現在、茨城県環境審議会副会長、霞ヶ浦専門部会長、国立環境研究所客員研究員。農学博士、(専門)水質環境学、水田工学。1995年世界湖沼会議で基調講演を行う。環境大臣表彰;地域環境保全功労者(2005)、茨城県環境保全功労者賞(2003)、その他日本農学賞、読売農学賞、農業土木学会賞を受賞
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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