内容説明
「戦後の日本住宅を一変させた発明品」といわれるDK(ダイニング・キッチン)は、「公団2DK」人気に支えられて急速に普及し、現在の住宅プランの大半は、DK、あるいはその応用型を採用している。わずか六畳ほどの、もはや当たり前の空間にすぎないDKだが、その誕生の背景には、戦前からの長い複雑な経緯と、戦後日本の復興・民主化にかける建築家たちの切なる声があった。男尊女卑、家父長制度、格式主義との闘い―封建性との闘い―があった。そして、女性建築家第一号・浜口ミホの信念があった。DKはどこから来たのか。これまでの台所学、建築史論、等等個別の根拠によるルーツ諸説に欠けたものはないか。本書は、戦前、西洋近代建築の神髄を学び、戦後、主役に躍り出た建築家たちの情熱にスポットを当てた、DK創世記である。
目次
序章 公団2DK
第1章 DKの萌芽(大正時代の女性が考えたDK;戦前のDK ほか)
第2章 DK誕生(机上の最小限住宅(一九四八年)
リビング・キッチン全盛(一九四九~一九五一年) ほか)
第3章 日本住宅の貧困と因襲に挑んだ浜口ミホ(公団ステンレス流し台;豊かさをめざした戦後一〇年 ほか)
小伝・浜口ミホ
著者等紹介
北川圭子[キタガワケイコ]
1976年北海道工業大学工学部建築工学科卒業。1977年同学研究生。現在、札幌理工学院建築学部教授。一級建築士、インテリアプランナー
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