内容説明
『銀行業務改善隻語』は、昭和2年の金融大恐慌直後に、一瀬粂吉氏(旧三十四銀行副頭取、その後、三和銀行の設立に尽力し取締役)によって上梓されました。金融大恐慌により、我が国の金融界は未曽有の危機に見舞われましたが、本書は、その経験を踏まえ、銀行経営や銀行員の生き方についての警世の言葉をまとめたものです。発刊以来、本書は時代を超えて読み継がれ、座右の書として本書を挙げる銀行経営者は少なくありません。ただ、その格調高い文語調の文体については、一方で、読みづらいという声も少なくありませんでした。そこで今回、そうした声にこたえ、原著の文章がもつ格調を残しつつ、現代語訳を行い、解説を付けたものを刊行することとなりました。
目次
銀行の経営
重役の責任
銀行家の生活と処世
行員の待遇および心得
銀行と顧客
不当競争
銀行と社会
預金および利息
貸出と貸越
手形・小切手・為替
コール取引
商品担保
調査
銀行の検査
公債および日銀
銀行の合併
雑感一束
金解禁問題
昭和二年の恐慌
結論
著者等紹介
一瀬粂吉[イチノセクメキチ]
明治2年兵庫県生まれ。東京高等商業学校附属主計専修科卒業。文部省を経て、明治32年、株式会社三十四銀行入行。大正14年同行副頭取。昭和8年12月、三和銀行設立に尽力、取締役に就任。昭和16年6月取締役辞任。昭和18年1月永眠
長野聡[ナガノサトシ]
昭和37年大阪府生まれ。昭和61年日本銀行入行。ロンドン事務所次長、北九州支店長、大阪支店副支店長などを経て、平成26年金融機構局審議役(地域金融担当)。平成29年金融研究所シニアリサーチフェロー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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