出版社内容情報
材料設計に新たな地平を!
化学分野の材料開発はこれまで経験と勘に裏打ちされた実験的手法が中心的な役割を果たしてきたが、新物質の発見から実用化までに長い時間とコストを要している。そこで近年では蓄積された多くのデータ・情報を駆使して所望の構造・材料候補を導き出すデータ駆動型科学――マテリアルズインフォマティクスの活用が始まっている。本書ではマテリアルズインフォマティクスを実践するための機械学習法、実験計画法、記述子計算を詳述。プログラムに必要なPythonとGoogle CoLabについても導入から解説している。これからデータ解析に取り組もうと考えている化学分野の方々にとって指南書となる一冊。
なお、本文中のプログラムソースは、著者のWebサイト等でダウロードできる。
目次
1 データに慣れよう
2 環境構築
3 マテリアルズインフォマティクス概論
4 実験による効率的なデータの取り方―実験計画法
5 記述子計算
6 機械学習モデルの概略
7 モデルの解釈
8 機械学習モデルと組み合わせた追加検討の方法
9 プロジェクトの例
10 シェルを用いたデータ加工
A 付録
著者等紹介
船津公人[フナツキミト]
1978年九州大学理学部化学科卒。1983年九州大学大学院理学研究科化学専攻博士課程修了(理学博士)。1984年豊橋技術科学大学物質工学系助手、1992年同知識情報工学系助教授。2004年東京大学大学院工学系研究科化学システム工学専攻教授、現在に至る。2017年10月より奈良先端科学技術大学院大学・データ駆動型サイエンス創造センター研究ディレクターを兼務。2011年ストラスブール大学招聘教授。学位は有機反応機構研究で取得。専門分野はケモインフォマティクス。1984年からケモインフォマティクスの分野に身を投じている。ケモインフォマティクス利用による分子・薬物設計、材料設計(プロセス条件も含む)、構造解析、合成経路設計、化学プラントなどを対象とした監視と制御のためのソフトセンサー開発に取り組む。日本科学技術情報センター丹羽賞・学術賞(1988年)、日本コンピュータ化学会学会賞(2003年)、また2019年8月アメリカ化学会より、当該分野のノーベル賞とされるHerman Skolnik賞を受賞
柴山翔二郎[シバヤマショウジロウ]
2015年東京大学工学部化学システム工学科卒。2020年東京大学大学院工学系研究科博士課程修了。在学中にフランスストラスブール大学に研究留学し、ケモインフォマティクス研究に従事。現在、学術振興会特別研究員としてソフトセンサー研究に従事。博士(工学)。専門分野は化学工学、ソフトセンサー、ケモインフォマティクス、ベイズ最適化を用いた実験計画法など、情報科学を用いた自動化・効率化に興味があり、化学工学・化学と機械学習の融合に取り組む(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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