目次
序論 英文学の他者―英語文学の可能性をめぐって
第1部 実存と時間―内なる他者(非人称的自己と他者―ポール・ボウルズの『雨は降るがままにせよ』におけるダイアー;探求の旅の果て―ジュリアン・バーンズの『終わりの感覚』における死者と他者)
第2部 宗主国と植民地―双方向的他者化(ピーター・ケアリーの『ジャック・マッグズ』を読む―ディケンズのオーストラリア表象への異議;D.H.ロレンスの『翼ある蛇』に見る間文化主義―二項対立の狭間に留る;人種的他者としてのヒースクリフ―エミリー・ブロンテ『嵐が丘』およびマルーズ・コンデ『風の巻く丘』論)
第3部 ユダヤ人とカトリック教徒―マイノリティとしての他者(ヴァージニア・ウルフに見るユダヤ人の表象―『歳月』を中心にして;ハワード・ジェイコブソン『フィンクラー問題』と「恥じるユダヤ人」―他者の土地を奪う;ミュリエル・スパーク『独身者』―正義の絶対化がもたらすアイロニー)