内容説明
日本のアジア主義、アメリカのモンロー主義、ソ連の共産主義という戦争を左右してきた三つのイズム(思想・主義)と人種的偏見の二つの視点から、日清戦争以来、一世紀にわたる日本の戦争の歴史を論ずる。
目次
第1章 アジア主義の誕生と発展
第2章 日露戦争の衝撃
第3章 アメリカのネーバリズム
第4章 第一次世界大戦とアジア主義
第5章 日中のイズムをめぐる戦い
第6章 立ち向かう日本のイズム
第7章 コミンテルンから見た「先の大戦」
第8章 大東亜戦争と日本の民族独立運動支援
第9章 アジア主義から見た日本の戦争
第10章 一世紀の日本の戦争を考える
著者等紹介
平間洋一[ヒラマヨウイチ]
1933年に横須賀で生まれる。1952年:横須賀高等学校卒、1957年:防衛大学校電気工学科卒、1962年:大阪外国語大学仏文科研修(2年)、1997年:法学博士(慶應義塾大学)、1957~1988年:海上自衛官(この間に護衛艦ちとせ艦長、第31護衛隊司令、海上幕僚監部調査部、練習艦隊主席幕僚、防衛研究所戦史部などを経て、1988年に海将補で退官)、1988~1999年防衛大学校教授、1999~2003年筑波・常磐大学非常勤講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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めっかち
2
平間先生が晩年にお書きあげになった大著! 本書は、相違点も色々あるのだが、中村粲『大東亜戦争への道』を学術的に通用するように注を付け鍛え直した感じかな。尤も平間先生は「先の戦争で日本はアジア解放の聖戦を戦った」というような安い議論はしてない。寧ろ「日本のアジア主義も列国と同様な自己中心主義であり覇権主義であった」(312頁)とはっきり書いている。その上でジョイス・C・レブラなどを引用して日本の「遺産」も無視してはならないだろうと書く。丁寧な実証主義も大事だが、本書の様に歴史を百年単位で鳥観するのも重要。2023/04/25
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