内容説明
ペリー来航をきっかけに江戸湾内海防禦のためにオランダの築城書をもとに設計され築かれた「品川台場」。その設計・配列・諸施設の構造等について、西洋築城術がどのような形で反映されているのか?オランダ築城書を個々に探索し、日本側史料等と照合することを通じて明らかにする。また、品川台場は、海防という目的にもとづいて築かれた軍事施設であり、その本来的な役割は砲台として機能することにあった。こうした視点に立ち、建設された当時の軍事技術を踏まえ、品川台場の構造や配列について検証し、江戸湾内海の防衛計画とその有効性・意義に関しても検証する。
目次
1 江戸湾湾口防衛の実相と限界(江戸湾防衛の変遷;御固四家体制下の海防施設;江戸湾口の防禦力;湾口防衛の限界)
2 品川台場の築造計画(内海台場のの建設経緯;オランダ築城書;防禦線の設計;火砲の配備)
3 品川台場の構造(塁台の基本構造;台場の内部施設;海上と沿岸の防禦態勢)
結び
著者等紹介
淺川道夫[アサカワミチオ]
博士(学術)、軍事史学会理事・編集委員、拓殖大学講師。昭和35(1960)年、東京に生まれる。日本大学大学院法学研究科(日本政治史専攻)博士後期課程満期退学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。