内容説明
ジェフリー・パーカーの「軍事革命」論は日本にも当てはまるのか?ヨーロッパとの比較から日本の戦国時代の特性をあぶり出す。
目次
軍事革命論と本書の問題意識
日本の槍戦術の推移と特徴―ヨーロッパの戦例との比較から
銃兵の訓練と常備兵化
近世初期までの日本での大砲使用
鉄砲による山城の弱体化と城郭立地の変遷
鉄砲の普及による野戦の決定力の上昇と大名勢力圏の拡大の促進
兵農分離の進展とその要因
近世初期の日本の兵站・輜重隊の整備とその限界―ヨーロッパとの比較から
近世城郭築城に関わる作業量の増大と大名財政
大名における軍事要員雇用態様の変化と財政
本書の結論・日本の軍事革命の態様について
著者等紹介
久保田正志[クボタマサシ]
昭和38年東京生まれ。昭和63年東京大学法学部卒業。在学中東京大学戦史研究会所属、同会第三代会長。平成9年東京大学大学院法学政治学研究科修士課程修了。法学博士。現在、特定非営利活動法人城塞史跡協会理事長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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相馬
2
あの大著「ハプスブルク家かく戦えり」の久保田正志さんの第2作。16世紀のヨーロッパにおける銃,大砲,イタリア式築城等による軍隊,戦争,経済等の変化を軍事革命と呼ぶが,それが日本の戦国時代にも起こったか?を論じた興味深い本。従来あまり論じられなかった,糧食や秣の補給,特にその輸送,費用,築城の費用,肩付けと頬付けの違いによる火縄銃の発射速度や弾幕量の違い,それや騎馬速度,首切り重視や武士ユニットなどから来る密集陣形の未発達。そして元和偃武により日本では「軍事革命の中途,中断」としている。とても興味深かった。2016/02/08