内容説明
三年前から突然人の心の声が聞こえ始め、以来人間不信気味の余村。ある日彼は、自分に好意を持っているらしい同僚の長谷部の心の声を聞いてしまう。罪悪感を覚えつつも、言葉で、“声”で、一途に注がれる愛情が心地よく、余村も長谷部を好ましく思うようになる。そしてついに長谷部の告白を受け入れるが、余村が心の声を聞けると知った長谷部の反応は意外なものだった…。切なさ200%!!胸に迫るスイートラブ。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
JUN+
72
人の心の声を聞けてしまう能力を持つ余村と、同じ大型電気店に勤める長谷部。二人の出会いからお互いの想いを確認し合うまでを描いた前編「言ノ葉ノ花」と交際を始めた二人のその後を描く後編「言ノ葉ノ星」の二部構成。ファンタジー寄りかと思ったらけっこう骨太な部分もあって。でも初々しい二人のピュアな距離感がなかなかせつない。駅の2つホームで向き合いながらメールするシーンからの展開が泣けて、すごく好き。心の声を聞けてしまうことのマイナス面とプラス面をうまく描き分けていて、愛し合う二人には何が一番大切かを気づかせてくれる。2014/01/22
扉のこちら側
49
2017年81冊め。再読。突然人の心の声が聞こえるようになってしまい苦悩し、それに慣れた頃にまたその能力を失うという展開がおもしろかった。今まで聞こえていたことである意味で人を見くびって高をくくっていた彼が、聞こえなくなったことで、それでも人を信じて愛することができるかという。ただなんとなくハマりきれないシリーズ(の1作目)。2017/01/27
那義乱丸
46
積読崩し。心の声を聞かれてしまう側の辛さは言うまでもないが、聞こえてしまう側の苦悩や傷もまた測り知れず、それが深い孤独となってのし掛かってくる展開に胸が痛んだ。ホームで余村が涙を落とすシーンには私の視界も滲んでしまった。続く『言ノ葉ノ星』。「光を知った後にくる闇の深さ」が心に重く響いた。それでも、一途に余村を想い続ける長谷部がいてくれて良かった。そして長谷部が余村に教えた「余村がなくしたもの」に深く同感。人と人との繋がりでそれはとても大切なものだから。鬱展開な話だけど穏やかなエンドで良い読後感だった。2015/06/28
扉のこちら側
42
初読。2015年883冊め。雑誌掲載時に読んで、3作目は購入したが1・2作目は未読だった。単行本発売を期にシリーズを読もうと思い。「他人の心の声が聞こえてしまう」というSFやファンタジーにある設定を恋愛ものに持ってくると…。まず冒頭の主人公の通りまともに社会生活を送るのは苦しいだろう。幸せは手に入れたものの…ちょっと続きが気になる終わり方。2015/07/26
フキノトウ
35
再読。何度読んでも面白い。受け・余村の追い込まれていく様が、痛々しい。攻め・長谷部の真っ直ぐな気持ちに毎回、グッときます。続篇が、もうすぐ発売なのでとても楽しみです。2015/06/19
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