内容説明
「機密戦争日誌」とは、大本営政府連絡会議の事務をも取り扱っていた大本営陸軍部戦争指導班(第二十班)の参謀が昭和十五年六月から昭和二十年八月まで日常の業務を交代で記述した業務日誌。敗戦にあたり焼却司令が出される中、一人の将校が焼却に忍びなく隠匿するなど、様々な経緯を経て防衛研究所図書館に所蔵された終戦から半世紀を経た平成九年に一般公開された貴重な史料。
感想・レビュー
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筑紫の國造
7
大東亜戦争直前から敗戦にかけて参謀本部の戦争指導課のメンバーが綴った、貴重な日誌。解説されているように「半公半私」の性格をもった日誌だが、その分参謀たちの生の声が臨場感をもって記載されており、この戦争を理解するために欠かせない史料となっている。個人的には参謀本部の中心を占める作戦課に対する反発、そして竹下正彦が書き継いだ最後の部分が印象に残っている。私的な面もあるため、時に感情的な記述もみられるが、それがまた面白かったりもする。当時の戦争指導中枢を知る、格好の史料であるといえる。2021/03/17