内容説明
蒙古襲来絵詞は肥後国の御家人竹崎季長が製作した貴重な絵巻物である。蒙古襲来絵詞は蒙古が襲来した一二七四年の文永の役、一二八一年の弘安の役の両度の蒙古合戦に参加し、この両度の蒙古合戦で活躍した肥後国の御家人竹崎季長が、文永の役に於ける自らの出陣の様子やその文永の役で戦功を挙げた様子と、その文永の役で活躍したにもかかわらず恩賞をもらえなかったために鎌倉に参り鎌倉幕府の御恩奉行安達泰盛に庭中したところ、安達泰盛は竹崎季長の要望を聞き入れてくれ、竹崎季長を勇者と認めて海東郷の地頭職を賜わったこと、更にその後竹崎季長が弘安の役で挙げた戦功の様子を絵巻物に仕立てたものである。
目次
第1章 蒙古襲来絵詞総論
第2章 蒙古襲来絵詞の絵の後世の改竄
第3章 蒙古襲来絵詞の二種類の絵
第4章 蒙古襲来絵詞の二種類の詞書
第5章 蒙古襲来絵詞に描かれた宇都宮氏の武士団
第6章 蒙古襲来絵詞の弘安の役についての絵の配列
第7章 蒙古襲来絵詞の遺存
第8章 竹崎季長の生き方
第9章 竹崎季長と霜月騒動、岩門合戦
著者等紹介
佐藤鉄太郎[サトウテツタロウ]
中村学園大学人間発達学部教授。九州大学文学部史学科国史学専攻卒業、九州大学大学院文学研究科国史学専攻修士課程修了(文学修士)、平成10年3月博士(文学)の学位授与(皇学館大学大学院論文博第一号)
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