出版社内容情報
帝国海軍を育てあげた山本権兵衛を中心に、近代国家の建設に奔走した明治の群像を描いて、日本はいかに形成されたかを探る、著者畢生のドキュメンタリイ・ノベル
内容説明
鎖国の日本が再び国を開いたとき、そこには世界に繋がる海があった。帝国海軍を育てあげた山本権兵衛と、黎明期の日本をになった明治の群像の苦悩―。山本にとっても帝国海軍にとっても、最初の試練は日清の戦役であった。時に山本は海軍軍務局長である。雄大なスケールで描くドキュメンタリー・ノベル第1巻。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
82
文芸評論家の江藤淳が日本の海軍の基礎を築き上げ首相にまでなった山本権兵衛についての生涯をドキュメンタリーノベルを5巻にまとめ上げたものです。時代的には司馬遼太郎の「坂の上の雲」と被る部分があるのですが、それよりももっと現実に近いような感じの作品でかなり様々な資料を引用して書かれています。そのために読みにくさはあると思います。第1巻では山本権兵衛が勝海舟に知り合っての若いころから日清戦争が終わるまでを書かれています。再読ですが楽しめます。2024/12/15
うえ
7
「シュミットの『陸と海』は江藤氏のこの作品の根底にあるものを照射するのに、きわめて有効な理論を提出しているように思われる。シュミットによれば、陸地の分割によってしか世界を考えることのできなかった古典的な世界像にたいして、近世のイギリスに画期的な空間革命がおこり、「土地がもっぱら海の側から見られ」るようになったという。かつて軍艦を動く要塞とみたのは、要塞という陸地のものを基準に世界をみていたためであるが、まったく新しい海からだけの視点からみると、事態は逆になり、大陸とは…背後地域のある沿岸に過ぎないという」2016/10/17
タイガー@津軽衆
6
通算65冊目、12月1冊目読了。いよいよ最終月になりましたが、最近めっきり読書が減っており、昨年よりもかなり少ない読了となりそうです。来年は最低でも100冊は行きたいところです。ということで、江藤淳の『海は甦える』始めました。西郷どんの時代背景に少しかぶっているので大変読みやすく、勉強になりました。小説というよりは歴史資料書の側面があります。2018/12/07
Book Lover Mr.Garakuta
4
図書館本:速読。読了。感想は第五部で。2018/12/09
kitakama633
2
明治の海軍大臣、首相を歴任した海軍軍人山本権兵衛の半生を描いた歴史小説。絶版らしいが鎌倉の古本屋で文庫版を5巻セット500円で購入!全5巻、第1部は日清戦争開戦まで。2012/05/05
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