内容説明
郡司正勝、本田安次らの後は未着手のままであった初期歌舞伎研究に関わる初の領域横断研究。舞踊図・寛文美人図など近世初期風俗画と桃山百双(柳橋水車図・誰が袖図)、あるいは大津絵「藤娘」の画題解釈、元禄見得や若衆歌舞伎「業平踊」の定義などへの再考を促す、実証的研究の成果をまとめた珠玉の一冊。
目次
第1編 初期歌舞伎の型(琉球舞踊と綾子舞―芸態比較対照研究による古歌舞伎踊の系譜考、琉球舞踊と小歌踊系民俗芸能の民族芸術学的考察;元禄見得の成立―近世初期「舞踊図」の成立と歌舞伎の系譜;舞踊図屏風と綾子舞―初期歌舞伎の「型」の成立と舞踊図誕生)
第2編 初期歌舞伎の表象と絵画(大津絵「藤娘」と「花車」―若衆歌舞伎「業平踊」と初期歌舞伎の表象;柳橋水車図屏風と三葉葵紋、遊女柳橋扇面流図屏風考―初期歌舞伎の表象と絵画1;誰が袖図と近世初期風俗画―初期歌舞伎の表象と絵画2 ほか)
第3編 琉球宮廷舞踊(首里城・琉球の民族芸術;琉球王国時代から現代における沖縄(琉球)の芸能祭祀と紅型―紅型の衣裳と幕
琉球紅型踊衣裳の研究―オーラル・ヒストリーにみる近現代沖縄芸能家の思いと表象)
著者等紹介
児玉絵里子[コダマエリコ]
博士(文学、早稲田大学)。早稲田大学大学院文学研究科芸術学(美術史)修士課程修了。沖縄国際大学南島文化研究所特別研究員、文化学園大学文化ファッション研究機構共同研究員、法政大学沖縄文化研究所国内研究員。元一般財団法人沖縄美ら島財団学芸員(財団法人海洋博覧会記念公園管理財団学芸員)。元ドナルド・キーン・センター柏崎学芸員。第十回木村重信民族藝術学会賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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