出版社内容情報
《内容》 運動生理学は「運動によってからだにどのような変化が生ずるのか,その現象としくみを研究する学問」である.研究の結果得られた成果は,専門家や専門家を目指す人たちばかりでなく,一般のできるだけ多くの人たちに還元されることが望ましいと考えている.専門としての運動生理学よりも生活科学としての運動生理学を,わかりやすさを第一として書いた.なるべく簡潔に最低限必要と思われる事項のみを述べてある. 初版に不足していた内分泌に関わる内容を「第7章 運動とホルモン」という章を設けて補充し,本書全体の構成のバランスを図った.また,図表,文章などに小改訂を加えた. 体育やスポーツに関係する方々ばかりでなく,「運動とからだ」に興味があり「からだを動かすこと」をエンジョイされている多くの一般の方々にもひもといていただけることを願うものである. 《目次》 1 筋収縮とエネルギー供給系1.1筋の種類と構造1.2エネルギー源1.3ATP産生の3つのルート1.4運動の継続時間とエネルギー供給システム2 筋線維の種類とその特徴2.1筋線維の種類2.2筋線維2.3筋線維組成と遺伝2.4トレーニングによる筋線維組成の変化2.5筋線維組成の推定3 神経系の役割3.1神経細胞の構造と種類3.2中枢神経系の構造と役割3.3末梢神経の構造と役割3.4運動の調節のしくみ3.5運動単位3.6運動単位と動員パターン4 筋の収縮様式と筋力4.1筋の収縮様式4.2各収縮様式の特徴4.3トレーニングによる筋力の変化4.4神経系の改善4.5筋線維の肥大4.6筋線維数の変化5 運動と循環5.1心臓の機能・構造と血液の循環5.2血液成分5.3運動時における心臓の働き5.4毛細血管5.5トレーニングによる変化6 運動と呼吸6.1呼吸6.2肺換気6.3ガス交換6.4血液によるガスの運搬6.5呼吸商6.6酸素摂取量6.7酸素負債量6.8無酸素性作業閥値7 運動とホルモン7.1ホルモンとは7.2ホルモンの種類7.3ホルモンと受容性7.4ホルモンが作用するメカニズム7.5ホルモン分泌の調節7.6身体活動に関与するホルモンの作用7.7運動時の代謝調節8 身体組成と肥満8.1脂肪と除脂肪8.2体脂肪量の評価法8.3肥満の判定8.4肥満のタイプ─洋ナシ型とリンゴ型─8.5最低体重9 運動と体温調節9.1熱の移動9.2体温調節の仕組み9.3運動時の体温調節10 筋疲労の要因10.1神経情報の伝導・伝達における変化10.2筋線維内部における変化11 老化に伴う身体機能の変化11.1収縮速度の変化11.2筋力の変化11.3持久能力の変化11.4呼吸循環器系の変化11.5高齢者のトレーナビリティ12 運動と栄養12.1栄養素12.2糖質12.3脂質12.4タンパク質12.5微量栄養素12.6水12.7運動選手のための食事