出版社内容情報
《内容》 医療の内容の激増から,長い間の伝統であった医師と看護婦による医療から,多くの医療関係者が臨床の現場に関与する医療へと大きく変化してきています.臨床の現場で必要なことは一人一人異なる患者さんの病態の把握ですが,このためにはある程度の医学知識を必要とします. 本書は,薬学部,看護学部,臨床検査の学生に,また,看護や薬剤の引き渡しの現場においてのインフォームドコンセントに必要な病態の基礎知識と治療および薬物療法を学ぶために編集したものです.臨床医学,内科,外科,整形外科,耳鼻咽喉科,泌尿器科,産婦人科,小児科,皮膚科,精神神経科,眼科,病理医そして薬剤師と各分野の専門家に執筆いただき,解りやすい内容でまとめてあります. 《目次》 I.病態と治療 総論1.病気とその起こり方1.1.病気とその現れ方1.1.1.病気とは1.1.2.病気の時に起こる変化1.1.3.病気の原因1.1.4.病気の現われ方と診断法1.1.5.疾病の種類1.1.6.疾病の経過1.1.7.疾病の転帰1.1.8.形態変化の大別1.2.傷害に対する細胞の反応(退行性病変)1.2.1.変性1.2.2.アミロイド1.2.3.萎縮1.2.4.局所の細胞の死-壊死とアポトーシス-1.3.病変の修復(進行性病変)1.3.1.再生1.3.2.肉芽形成1.4.循環の障害1.4.1.血液系の循環障害1.4.2.梗塞1.5.異物の処理1.5.1.免疫1.5.2.炎症1.6.腫瘍1.6.1.腫瘍の分類1.6.2.腫瘍と機能1.6.3.腫瘍の広がり方1.6.4.腫瘍の病気と腫瘍の分化の程度1.6.5.腫瘍の診断1.6.6.がんと免疫1.6.7.腫瘍の原因1.6.8.発がんのしくみ2.病気の診断法2.1.診断のための情報収集2.1.1.病歴の聴取─問診2.1.2.身体所見の把握─視診,打診,聴診,触診2.1.3.検査成績の分析─スクリーニング検査,生体検査,検体検査2.2.臨床診断への道程2.2.1.病気の治療法II.病態と治療 各論3.精神・神経疾患脳内出血脳梗塞クモ膜下出血てんかんパーキンソン症候群/パーキンソン病アルツハイマー型老年痴呆/アルツハイマー病感情障害/(躁うつ病)精神分裂病神経症性疾患/ストレス関連障害/身体表現性障害心身症その他の疾患4.免疫疾患アナフィラキシー性ショック鼻アレルギー(含 花粉症)蕁麻疹アトピー性皮膚炎アレルギー性結膜炎膠原病,膠原病様症候群後天性免疫不全症候群(エイズ)その他の疾患5.心臓・血管系疾患高血圧症/低血圧症 高血圧症 低血圧症 起立性調節障害(OD)不整脈虚血性心疾患 狭心症 心筋梗塞心不全血栓症/塞栓症川崎病先天性心疾患その他の疾患6.腎疾患・泌尿生殖器疾患糸球体腎炎 IgA腎症ネフローゼ症候群腎不全(急性,慢性)腎がん尿路結石症膀胱がん前立腺肥大/前立腺がん微弱陣痛子宮筋腫子宮がんその他の疾患7.呼吸器疾患かぜ症候群慢性気管支炎気管支喘息慢性肺気腫肺炎(含 間質性肺炎)肺真菌症肺結核症肺がんその他の疾患8.消化器疾患食道がん胃がん胃炎(急性,慢性)消化性潰瘍便秘・下痢大腸がん炎症性腸疾患 潰瘍性大腸炎 クローン病 急性腸炎過敏性腸症候群黄疸肝炎(急性,慢性)肝不全劇症肝炎肝がん胆石症/急性胆嚢症/胆管炎膵炎(急性,慢性)膵がんその他の疾患9.血液および造血器疾患貧血 鉄欠乏性貧血 再生不良性貧血 溶血性貧血 悪性貧血白血病紫斑病(血小板減少症,血液凝固異常症,血管性紫斑病)悪性リンパ腫その他の疾患10.感覚器疾患眼の疾患 視器の構造 視器の機能と障害 視器の主な検査と使用する薬品 視器の主な疾患 眼科で使用する薬剤 眼障害を起こす薬剤副鼻腔炎 急性副鼻腔炎 慢性副鼻腔炎中耳炎 急性中耳炎 慢性中耳炎 滲出性中耳炎めまい(眩暈) メニエール病その他の疾患11.内分泌,代謝疾患糖尿病高尿酸血症甲状腺機能亢進症/低下症尿崩症脂質代謝異常(高脂血症)ウイルソン病その他の疾患12.感染症感染症における病原体の同定感染症の治療13.骨・関節疾患変形性関節疾患骨粗しょう症慢性関節リウマチ骨・関節の外傷 骨折 脱臼その他の疾患14.小児疾患予防接種ビタミンK欠乏症低身長(小人症)先天性代謝異常 フェニルケトン尿症 クレチン症(先天性甲状腺機能低下症)その他の疾患15.外科(総論)外科的炎症痔核乳がんショック術前,術後管理III.薬物治療16.総論1.治療効果と危険性2.老齢化人口の増加3.薬物治療学と薬物動態4.薬物動態について5.高齢者と薬物治療6.薬物の選択とTrough-Peak比7.薬物代謝の遺伝的多様性付1.臨床検査の基準値と異常値を示す疾患血液検査 骨髄検査/出血・凝固系検査生化学検査 電解質/重金属・鉄代謝/血清酵素/腫瘍マーカー免疫血清検査細胞性免疫内分泌検査尿検査髄液検査 血液ガス機能検査 肺機能検査/肝機能検査/腎機能検査生理検査小児および老人の基準値 小児期の検査/老齢期の検査各種疾患および病態別の重要検査項目付2.基準値と正常値付3.検査における留意点付4.各種製剤について抗がん剤付5.薬剤の作用・副作用付6.主な疾患にみられる病変の部位
内容説明
医療内容の激増から長い間の伝統であった医師と看護婦による医療から、多くの医療関係者が臨床現場で関与する医療と大きく変化してきています。臨床の現場で必要なことは一人一人異なる患者さんの病態の把握ですが、このためにはある程度の医学知識を必要とします。これまで長い間、置き去りにされていた一般医学教育の重要性が叫ばれ、必修の教育科目として導入されつつあります。本書は看護婦、薬剤師、臨床検査技師などの教育の経験から、主に薬剤師、検査技師を含む医療関係者が、病態の基礎知識を学ぶために編集したものです。薬剤師の国家試験出題基準の中項目にある「疾病と病態」をカバーし、薬剤師に知っておいてほしい基礎知識を網羅してあります。
目次
1 病態と治療 総論(病変とその起こり方;病気の診断法)
2 病態と治療 各論(精神・神経疾患;免疫疾患;心臓・血管系疾患 ほか)
3 薬物治療(総論;臨床検査の基準値と異常値を示す疾病;基準値と正常値 ほか)