内容説明
咲き継ぐ光のように、逃げ去る影のように。聖書の至る所に、相対立するかに見える光と影が登場している。光は、神やイエスや希望へ向かって立ち、影は、原罪や絶望へと傾き淀もうとし、光も影も、そのつど人間の在りように濃淡を添えて呈示される。“旧約聖書”天地創造の大変動、ノア、モーセ、サウル、ダビデらの栄光と苦悩。“新約聖書”奇跡にあずかる市井の女性たち、マグダラのマリア、筆頭弟子のペトロ、迫害から伝導に転じたパウロらの数奇な運命。17名の詩人たちが本書に集い、競演する。
目次
旧約聖書のおける光と影(自由になりたい―エバの夢(中山直子)
光と闇の乱舞(内藤俊宏)
青(古田嘉彦)
光の道 陰の道(木村淳子)
ノアの独白(東延江) ほか)
新約聖書における光と影(愛は光 光は愛(木村淳子)
食卓の下(佐野亜利亜)
冥府の夜―第一夜(坂井信夫)
パンを焼く女たち(岡野絵里子)
道の反対側(古田嘉彦) ほか)