内容説明
生命を支え、生命を奪う存在=細菌。40億年前から地球に存在している、生命の営みに欠かせないその驚異の生態と、細菌たちと共存するための賢い付き合い方。
目次
1 この世界に細菌が必要なわけ
2 歴史のなかの細菌
3 「人間が病原菌に勝った!」(ただし長くはつづかない)
4 大衆文化に見る細菌
5 1個の細胞から生まれた一大産業
6 目に見えない宇宙
7 気候、細菌、1バレルの石油
おわりに 細菌を育てる方法
著者等紹介
マクズラック,アン[マクズラック,アン][Maczulak,Anne]
水質調査からインフルエンザワクチン開発にまで携わってきた経験豊かな微生物学者。ラジオ番組のレギュラーゲストとして微生物に関する質問に答えたり、企業や研究所向けのコンサルティング・サービスを主宰したりして、微生物についての教育に努めている
西田美緒子[ニシダミオコ]
翻訳家。津田塾大学英文学科卒業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Humbaba
9
細菌と人間の戦いは,決着がつくものではない.何らかの作用によって一時的にどちらかが優位な状態が生まれたとしても,やがてその対策が産まれる.対策される音はわかっていたとしても,救える命がある以上は研究を取りやめることは難しい.2013/02/12
壱萬参仟縁
3
細菌は自給自足の世界最小生命(12ページ)。佐藤英美先生を想起。真正細菌、古細菌、真核生物とある(41ページ)。口内にも細菌が栄養分と水分たっぷりで豊富(49ページ)。口腔ケアを念入りにと思う。コッホが炭疽菌を発見(56ページ)。自然科学概論か生命科学で学んだかもしれない。パスツールは白鳥の首フラスコを開発(79ページ)。知らなかった人はレーウェンフックという微生物学の父(83ページ)。フックはニュートンとの確執(85ページ)。科学者同士の熾烈な競争。同情してしまう。下痢はコレラの開始(88ページ)。恐。2013/01/23
belier
2
細菌と世界のかかわりあいを丁寧に説明している。ミクロの世界では生物学というより化学の物語になるが、そうした知識なくても理解できる。病原菌は当然、発見の物語あり、工業に役立ついろいろな細菌のはなし、火星に生息する可能性まで。よくまとまった細菌づくし。2013/12/15
メルセ・ひすい
2
微生物学者の初歩的細菌学講義 細菌学概要 細菌は「有効的な敵」にはあらず!細菌は「力強い友」なのである。我々は細菌を倒すことはできない。そして、そうしたくもない。大いなる力を持つ友人と同じで、尊敬し、温かくもてなし、親しくしておくことが肝要である。生命を支え、生命を奪う存在=細菌。40億年前から地球に存在している、生命の営みに欠かせないその驚異の生態と、細菌たちと共存するための賢い付き合い方を紹介。細菌なしでは生きられない。 2012/10/24
沖野
1
病原微生物学をやった直後で話が大分絡んでいたので読みやすかったです。2014/02/17