目次
第1部 1980年代のイエス研究(イエス研究のルネサンス;現代北アメリカのイエス研究(補遺付))
第2部 現代のイエス探求の諸問題(非終末論的イエス研究の控え目な擁護論;イエスと終末論―現在の省察;現代の研究におけるイエスと政治;根源の像とわれわれの物の見方―原初的伝統と聖書伝承)
第3部 現代のイエス研究と教会(イエスの新しい理解と今日における福音伝道の動機;イエス・セミナーと教会;史的イエスは重大な問題か?)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
うえ
9
「1985年…研究機関が生まれた。イエス・セミナーである。こちらはロバート・ファンクによって設立され、125名の会員が五ヵ年計画で、福音書その他の初代キリスト教資料の中でイエスが言ったことになっている全ての言葉の史的真正を議論検討し投票によって採決する、という企画に着手した…このセミナーは…その投票結果を『新赤文字版五福音書』として刊行する企画で有名になっているけれども、セミナー第一の意義は別のところにある。つまりそれは、イエスに関する伝承全体を初めて協同的組織的に調査した、という点で…先例がない」2018/04/04
KJ
0
近現代の史的イエス研究の潮流を知るためには有益な書物である。特に福音派の中で育ってきた私にとって、史的イエス研究はキリスト教信仰とどのように関わるのかについての議論が記されている第8章と第9章は大変興味深いものだった。いわゆる「リベラル」な人々は何を信仰しているのかが少し分かった気がする。2020/09/03