内容説明
「北方の博士」ハーマン研究の集大成。ゲーテからは「時代の最も鋭敏な知性」、キルケゴールからは「主体的な真理」への「覚醒のラッパ」を聴いたと評されたJ.G.ハーマン。18世紀の思想的主潮をなした啓蒙主義を批判し、「啓蒙の弁証法」を先取りした彼の生涯・思想・影響を網羅。ハーマン研究の道しるべともなる一冊。
目次
第1章 ハーマンの生涯と思想
第2章 言葉と形象―ハーマンの『聖書考察』
第3章 霊と言葉―ハーマンにおける「霊Genius」
第4章 自然の言葉―「語りとは翻訳である」
第5章 ハーマンにおける「言葉」と「身体」
第6章 歴史の言葉―終末論と黙示
第7章 「実存」の系譜―ハーマンとキルケゴール
第8章 ハーマンとミュンスター・クライス
第9章 聖書と天然と歴史―ハーマンと内村鑑三
第10章 ハーマンの影響・その理解の変遷
著者等紹介
川中子義勝[カワナゴヨシカツ]
1951年、埼玉県与野町(現さいたま市)に生まれる。埼玉大学、ドイツ・マールブルク大学で哲学を学んだ後、東京大学大学院人文科学研究科(ドイツ文学)修了。熊本大学助教授、東京大学大学院総合文化研究科教授を経て、同名誉教授。ドイツ文学・キリスト教思想史、とりわけ、ヨハン・ゲオルク・ハーマンの研究・紹介に努めてきた。『ハーマンの思想と生涯―十字架の愛言者』(教文館、1996年)、『北の博士・ハーマン』(沖積舎、1996年)、『北方の博士・ハーマン著作選』(沖積舎、2002年)。それらにより、アマーリエ・フォン・ガリツィン賞受賞(ドイツ、1998年)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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