内容説明
遠藤文学の根源に探偵小説あり。それは、痕跡を追跡するスリルとミステリーに満ちたもの。神を追う人間と神に追われる人間を語る遠藤文学を、新しい視点で俯瞰する!
目次
第1章 「芸術体験」としての探偵小説(遠藤周作論の脱構築;探偵小説との出会い)
第2章 遠藤文学の探偵小説的構造(「影なき男」を読む;探偵小説作家としての遠藤周作;遠藤文学の横糸と縦糸)
第3章 なぜ探偵小説なのか(痕跡の追跡としての探偵小説;技法を問う作家―小説家と批評家としての遠藤周作;探偵小説という技法)
第4章 遠藤文学における「痕跡の追跡」の諸相(リヨンの犯罪学者E.ロカール―遠藤の痕跡理解の淵源;神を追跡する人・人を追跡する神)
第5章 探偵小説として読む『沈黙』(フェレイラの棄教―「出発点における不可思議性」;井上筑後守とロドリゴ―「中道に於けるサスペンス」;最期の切支丹司祭―「結末の意外性」;なぜ『沈黙』は「切支丹屋敷役人日記」で締めくくられたのか;結論の代わりに―今後の遠藤研究のための提言)
著者等紹介
金承哲[キムスンチョル]
1958年、韓国・ソウル生まれ。1981年高麗大学理学部物理学科卒業。1984年、韓国・メソジスト神学大学大学院神学研究科修士課程修了。1989年、スイス・バーゼル大学神学部博士課程修了、神学博士。専門は組織神学、宗教間対話、宗教と科学の対話。釜山神学大学教授、金城学院大学教授を経て、南山大学人文学部教授、南山宗教文化研究所所長。東京と名古屋で「遠藤周作を読む会」主宰(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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田中峰和