内容説明
東方諸教会の歴史を網羅した初の日本語文献!現在もエジプト国民の1割が信徒であるコプト教会、キリスト教として世界で初めて国教となったアルメニア教会、中国へ伝わり景教と呼ばれたネストリオス派教会など、5世紀以降に主流派から分離した東方諸教会の起源から近代までの歩みをたどり、その独特な伝統と文化を詳説する。
目次
第1部 アレクサンドリアのキリスト教コプト(人)とコプト教会
第2部 アンティオキアとヤコブ派教会
第3部 ネストリオス派教会
第4部 アルメニア教会
第5部 南インド聖トマス・キリスト教会
第6部 マロン派教会
第7部 消滅した教会 結語
著者等紹介
村山盛忠[ムラヤマモリタダ]
1935年生まれ。1959年同志社大学神学部大学院修了。1959‐2009年、日本キリスト教団の福岡城東橋教会、大和郡山教会、河内松原教会、阿倍野教会、兵庫教会の牧師の任につく。その間、1964年から68年までエジプトのコプト福音教会協力牧師として働く。現在、大阪生野教会協力牧師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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xin
3
いわゆる東方の諸教会の歴史についての概説書。これらの宗派はカルケドン派やイスラームに対して常に傍流の存在だったのだけど、きわめて濃密な歴史を織り成してきたのだなということがわかった。コプト教会、アルメニア教会、ネストリウス派教会、ヤコブ派教会、聖トマス教会、マロン派などなどの目立たないけどとてつもなく深い歴史を備えた教会について知ることができる。2016/11/30
Khalid
1
コプト教徒A. S. アティヤによる東方諸教会の歴史。学部時代にこの本の原書を読みに一橋大学まで行っていたのだが、まさか日本語訳がでるとは。 東方諸教会に関して日本語で読める文献が少ない中、非常に貴重な本である。ただし内容に関しては古い点も多く見られる。ケンブリッジ大学出版の「Eastern Christianity」やBlackwellの「The Blackwell Companion to Eastern Christianity」をあわせて読むと良かろう。2014/12/27
工藤 杳
0
埋もれていた歴史を発掘する喜び。歴史に求めるわくわく感がすべて詰まっている。著者と訳者の知性のバトルが垣間みえるところも魅力。 アジアから出たキリスト教のもともとのあり得べき形とはこれではないかと思いさえする。後追いの西欧キリスト教が、土着のキリスト教を異端扱いし自分たちのキリスト教を押しつけるあたり、ちゃんちゃらおかしい。2017/10/06