内容説明
諸伝承はいつ生み出され、どのようにして「聖典」になったのか?旧約聖書のテキスト群を時代区分・類型によって文学的に特徴付け、成立過程と相互連関を解明する意欲的な試み。現代旧約学を代表する著者による最新の基礎文献として必読の研究!
目次
A 旧約聖書文学史の課題、歴史、諸問題
B アッシリア到来以前のシリア・パレスチナ小国家世界を枠組とした古代イスラエル文学の諸端緒(前10‐8世紀)
C アッシリア時代の文学(前8‐7世紀)
D バビロニア時代の文学(前6世紀)
E ペルシア時代の文学(前5‐4世紀)
F プトレマイオス朝時代の文学(前3世紀)
G セレウコス朝時代の文学(前2世紀)
H 聖典化と正典形成
著者等紹介
山我哲雄[ヤマガテツオ] 
1951年、東京に生まれる。1976年、早稲田大学第一文学部人文学科卒業。1985年、同大学院文学研究科博士課程単位取得満期退学。現在、北星学園大学経済学部教授、同大学院文学研究科教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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水紗枝荒葉
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            旧約聖書の面白いところは間テキスト性・編集性だと個人的に思う。例えば創世記冒頭で世界の創造が七日間神話と肋骨神話で2回語られるのは一体どういうことか? 教義的にどう矛盾させず処理するかも興味深い話題だが、「どうしてこのようなテキストが形成されたのか」を問うのがこの本だ。答えは「発展的加筆」により旧約聖書が継ぎ足し書かれたからということになる。バビロン捕囚など明確な境目でテクスト層はある程度類推可能だ。ただし、この本がラディカルなミニマリズム(証拠がない限り年代を後に見る)に従っていることは注意されたい。2023/06/22
          
        

              
              
              
              

