内容説明
1536年バーゼルで刊行されるや、たちまち各国語に翻訳され、プロテスタント最初の体系的教理書、生活綱領として歓迎され、予想をはるかに越える衝撃力で広まっていった。カルヴァン神学の出発点であり、すでにその全貌を予告する本書は、若き改革者の信仰の清冽な息吹きを伝える。
目次
真のキリスト者なるフランス国王への序文
第1章 律法について―十戒の講解
第2章 信仰について―使徒信条講解
第3章 祈りについて―主の祈り講解
第4章 聖礼典について
第5章 残る五つの礼典が、現在まで一般にサクラメントと考えられていたが、これらがサクラメントではないことを証明し、どんなものであるかを示す。
第6章 キリスト者の自由について、および教会の権能、政治統治について
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
きゃんたか
5
弱冠26歳にしてプロテスタント神学の体系を簡潔に纏めあげたと。律法、信仰、祈りについて、十戒、使徒信条、主の祈りを基に講解。ルター同様、律法には信仰の補助として以上の役割を与えていない。他にも、所謂「キリスト者の自由」、「二王国論」など、ルターと共通する見解がちらほら。明らかに対立するものが聖餐論。カルヴァンは所謂サクラメントを信仰の補助と考え、その必要性を強く訴えているものの、信仰の無いサクラメントを無価値とした。ルターはカトリック同様、「実在的、実体的」にパンを意味深なものとした。カルヴァンに一票。2015/08/05