内容説明
キリスト者としての成長と完成を目指す伝統的な「修徳」はどのように実践されてきたのか?それらは現代的な「霊性」へとどのように変化したのか?神の恵みを体験するキリスト教的霊性について、カトリックにおける修徳・修行論を出発点として多面的に考察し、その今日的な意味を説く。
目次
「修徳・修行論」から「霊性神学」へ
第1部 修徳・修行論の形成(完徳への旅路;霊的婚姻;イエスの生涯の黙想・模倣;聖人伝)
第2部 修徳・修行論から霊性の神学へ(第二ヴァティカン公会議前後の信仰生活;第二ヴァティカン公会議;現代思潮からの影響 霊性とは何か)
第3部 キリスト教的霊性(神学の新しい展開;キリスト教的霊性)
著者等紹介
小高毅[オダカタケシ]
1942年京城(ソウル)に生まれる。1975年カトリック司祭に叙階。1978‐80年ローマ、アウグスティニアヌム教父研究所に学ぶ。1984年3月上智大学大学院博士課程修了、神学博士号取得。現在、聖アントニオ神学院教授(組織神学・教父学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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amanon
2
後書きで著者が示唆しているように、霊性について体系的に述べたというより、キリスト教関係の著作で霊性について触れた箇所を取り上げて解説したという趣が強い。そもそも霊性という言葉は比較的最近になって使われるようになった言葉で、その定義もいささか曖昧。だから読者は自分なりの霊性をイメージしていく他はない。また、本書を読んで改めて、キリスト教のアバウトさを認識。なので、一層霊性についての厳密な定義などほぼ不可能であることが予想できる。しかし、時に真逆な様相を見せても、何がしか通底するものがあるのも否定できない。2018/07/07