内容説明
一九三〇年代のロンドン。考古学者のマシューは、旅先で拾った三人の赤ん坊を甥の娘に託して行方不明に。姉妹として育てられた孤児たちは、家計を助けるために、舞台芸術学院で学びながら働きはじめます。多くの人との出会いの中で、長女ポーリーンは俳優、次女ペトロヴァは飛行士、三女ポージーはバレリーナを夢みるようになりますが…。
著者等紹介
ストレトフィールド,ノエル[ストレトフィールド,ノエル] [Streatfeild,Noel]
1897年、イングランド・サセックス州出身。英国王立アカデミー演劇学校卒業後、女優を経て著作に専念、大人向けの小説家から、児童小説家となる。職業的訓練を受ける少年少女を描いた初期作品により、「職業小説」の創始者とされる。1986年没
中村妙子[ナカムラタエコ]
1923年、東京に生まれる。1954年、東京大学文学部西洋史学科卒業。翻訳家。児童文学、C.S.ルイスの著作と評伝、A.クリスティー、R.ピルチャーなどの小説、キリスト教関連書など約250冊の訳書がある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
星落秋風五丈原
23
【ガーディアン必読1000冊】映画化ではエマ・ワトソンが長女役でしたね。2018/03/02
シュシュ
22
前に読んだ同じ物語を中村妙子さんの訳でも読んでみたくて手にとった。こちらのほうは中学年くらいから読めそう。朽木さんの完訳では、映画の仕事のメイクの時にマックスファクターが出てくるが、こちらはそのあたりの細かいところはカット。ただ、舞台で代役だった女の子が3人姉妹の家にお茶に来る場面がなかったのが残念。好きな場面だったので…。挿し絵は、こちらのほうがイギリスの雰囲気にあっている気がした。2019/05/09
更夜
15
この本はイギリス児童文学の古典とされていますが、上流階級の子供達か、孤児か、だった頃。この本は3人の孤児の女の子達の物語ですが、実は「職業小説」だと思います。1930年当時は子供は12歳で「社会人として働ける」それまでは職業訓練。3人の女の子は個性がそれぞれですが、後半になると働くようになり収入はいくら、貯金はいくら、家にいくら、小遣いはといった金銭収支の描写がとても細かいのです。今だったらまだ親の庇護の元にある年なのに。しかし、3人共それぞれの好きな道に進めてよかった。G1000冊の本。2019/12/31
コニコ@共楽
14
1930年代のロンドンで、3人の孤児たちが自分の才能を活かしながらお金を稼ぎ、成長していく話。12歳になると、ロンドン市議会の認可を受け、医務官の身体検査を受け、その上教育局の事務官の面接を受けて、やっとお金を稼ぐことができるという件が面白かった。稼いだ収入の3分の1は貯金をすることになっていて、この時代のことを考えると、ずいぶんと子どもの労働も守られていたように感じた。周りの大人たちが献身的で子どもたちを見守っているのも素敵だった。特にペトロヴァのことをシンプソンさんが気にかけてくれたことが嬉しかった。2021/12/29
ありんこ
7
女の子が三者三様で、それぞれ魅力があって一本筋が通っている。どんな子どもも育てられた環境や、出会う人に寄って成長することが分かる。そして、自分の正直な気持ちを周りの人に伝えること。そうすると大人が助けてくれる!と信じさせてくれる素敵な作品です。2019/05/19