内容説明
天才作曲家の秘められた本質に迫る。
目次
1 バッハとメンデルスゾーン(“マタイ受難曲”―一〇〇年の忘却から蘇るバッハ;“ミサ曲ロ短調”―果たせなかった全曲演奏)
2 メンデルスゾーンのオラトリオ(“パウロ”―新たな手法による古き本質の表現;“エリヤ”―普遍的な真理の共有を目指して;M・シュテーリン論考―“エリヤ”のアリア“こと足れり”について;神とは何か、真理とは何か)
著者等紹介
星野宏美[ホシノヒロミ]
1967年生まれ。東京藝術大学音楽学部楽理科卒業、同大学院修了。博士(音楽学)。現在、立教大学異文化コミュニケーション学部教授。専門は西洋音楽史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Ken.
2
恐らく今年最後の一冊です。メンデルスゾーンがJ.S.バッハの影響を色濃く受けていることや、ユダヤ系キリスト教徒として宗教的な葛藤を抱え続けていたことなどは常識。それを再考するにとどまらないのが本書の読みどころだ。本書では《マタイ受難曲》《ミサ曲ロ短調》《パウロ》《エリヤ》と、メンデルスゾーンが演奏・作曲した作品をリレーしながら、メンデルスゾーンによって、ドイツ・プロテスタント音楽が宗教の枠を超え、人間の強さから弱さまでの内面を豊かに描写した普遍的な響きを持つ音楽へと昇華させられる様を丁寧に論考している。2022/12/31
Go Extreme
1
バッハとメンデルスゾーン 《マタイ受難曲》—100 年の忘却から蘇るバッハ: メンデルスゾーンの指揮スコア 鳴り響くバッハ、蘇るメンデルスゾーン 《ミサ曲 ロ短調》—果たせなかった全曲演奏: プロテスタンティズムの音楽の代表によるカトリック・ミサ曲 メンデルスゾーンのオラトリオ 《パウロ》—新たな手法による古き本質の表現: プロテスタント・コンサート・オラトリオ 《エリヤ》—普遍的な真理の共有をめざして: バッハからメンデルスゾーンへ、そしてバッハへ M・シュテーリン論考 神とは何か真理とは何か2022/05/16
Eu
0
すごいおもしろかった。「純粋にドイツ的」なバッハの復興と、多様な宗教・宗派を包括したメンデルスゾーンの制作が音楽愛好家の集まりを通して新しい共同体の整備に一役買ったということとか、オラトリオがこの時代のドイツでたくさん制作された事情とか。2022/08/31
R.H
0
素晴らしい内容です。非常に勉強になります。2022/04/19
沖縄電鉄社長
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メンデルスゾーンの宗教音楽に対する取り組み。演奏面では『マタイ受難曲』のみならず、『ミサ曲ロ短調』全曲演奏を試みる姿も浮き彫りに。 作曲面ではオラトリオ『パウロ』『エリヤ』と、それらの底に流れる『ヨハネ受難曲』の影響も明らかにする。2022/04/04
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