内容説明
教会は貧困問題にどう向き合うのか?労働者の境遇の改善を訴える1891年の回勅以降、カトリック教会は現代世界に宛てて数多くの社会教説を発表してきた。本書は「貧しい人々のための優先的選択」という側面から、公文書の本文を精読し、経済的・政治的構造がもたらす貧困と不正義に対する教会の理解がどう発展したのかをたどる。
目次
回勅『レールム・ノヴァルム』―労働者の境遇について(一八九一)
回勅『クアドラジェジモ・アンノ』―社会秩序の再建(一九三一)
回勅『マーテル・エト・マジストラ』―キリスト教と社会の進歩(一九六一)
回勅『パーチェム・イン・テリス』―地上の平和(一九六三)
第二ヴァティカン公会議『現代世界憲章』(一九六五)
回勅『ポプロールム・プログレシオ』―諸民族の進歩推進について(一九六七)
使徒的書簡『オクトジェジマ・アドヴェニエンス』(一九七一)
『世界の正義』―司教シノドス(一九七一)
使徒的勧告『福音宣教』(一九七五)
回勅『人間のあがない主』(一九七九)/回勅『いつくしみ深い神』(一九八〇)
回勅『働くことについて』(一九八一)
回勅『真の開発とは』(一九八七)
『「解放の神学」の幾つかの側面に関する教書』(一九八四)
『自由の自覚』―キリスト者の自由と解放に関する教書(一九八六)
回勅『新しい課題』(一九九一)
回勅『神は愛』(二〇〇五)
回勅『真理に根ざした愛』(二〇〇九)
著者等紹介
小山英之[コヤマヒデユキ]
1957年生まれ。1980年上智大学外国語学部英語学科卒。1988年同大学院哲学研究科修士課程修了。1988年から1990年まで広島学院中・高等学校教諭。1993年イギリス・ロンドン大学ヒースロップカレッジ神学科卒。2002年イギリス・ウォーリック大学大学院Centre for Research in Ethnic Relations博士課程修了(Ph.D.in Ethnic Relations)。現在、上智大学神学部神学科准教授、上智大学グローバル・コンサーン研究所所員、イエズス会社会司牧センター協力スタッフ。イエズス会司祭(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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