内容説明
四福音書間で時間の推移や登場人物、そして描かれる出来事まで異なるイエスの受難物語。「歴史」の中で本当に起こったことは何か?本書は、各福音書の受難物語の神学的特徴を踏まえつつ、第二神殿時代のユダヤ文献や当時のローマの法制度といった歴史資料を縦横に使いながら、その歴史的再構成を試みる。ユダヤ人聖書学者であり、死海文書研究の第一人者として知られる著者が、「歴史の真実」に迫る。
目次
第1章 文学的、歴史的な予備知識(資料;ユダヤ史とユダヤの法体制;神殿権力者とイエス)
第2章 福音書記者による受難物語(最後の晩餐;イエスの逮捕;ヨハネ福音書によるイエスの尋問;最高法院(大サンヘドリン)による夜間裁判
最高法院による早朝議会
ユダの自死
ピラトとイエス
ヘロデ・アンティパスへ、そしてピラトへ
過越祭恩赦とバラバ
死刑宣告
十字架刑
イエスの死
イエスの埋葬)
第3章 受難物語の比較(共通箇所に関する説明;共観福音書とヨハネ福音書の相違点;ルカ福音書の特異性)
第4章 終結
結び 受難物語の主要登場人物(ユダヤ人;カイアファ;ピラト;イエス)
著者等紹介
ヴェルメシュ,G.[ヴェルメシュ,G.][Vermes,G´eza]
1924年ハンガリー生まれのユダヤ人。1953年にベルギーのルーヴェン大学から神学博士号取得。1965年以降、オックスフォード大学オリエント学部に教職を得、最初のユダヤ教学教授に就任。東洋学学会理事長や『ユダヤ研究誌』の主筆などを務める。1991年に退官して以来、オックスフォード大学クムラン研究フォーラムの所長を務め、その間に死海写本の完全英訳に取り組む(The Complete Dead Sea Scrolls in English,Penguin,2004)
浅野淳博[アサノアツヒロ]
1960年山陰松江生まれ。現在、関西学院大学神学部准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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